【巨人】菅野智之、チーム最多8勝「出来過ぎとも思わない」5奪三振とゴロの山を築き6回1失点

AI要約

菅野智之投手がチーム最多の8勝目を挙げ、前半戦セ・リーグ全カード勝ち越しターンをもたらした。

菅野は多彩な変化球を駆使し、5三振を奪いながらも9個のゴロを生み出して6回1失点の好投を見せた。

チームは中日を破り、貯金8を積み上げV率100%ターンに成功し、後半戦への弾みをつけた。

【巨人】菅野智之、チーム最多8勝「出来過ぎとも思わない」5奪三振とゴロの山を築き6回1失点

<中日1-4巨人>◇21日◇バンテリンドーム

 巨人菅野智之投手(34)がチーム最多の8勝目を挙げ、34年ぶりに前半戦セ・リーグ全カード勝ち越しターンをもたらした。多彩な変化球を変幻自在に操り、5三振の一方で、アウトの半分がゴロの山。失点はソロ1発にとどめ、6回5安打1失点で、自身5年ぶりとなる前半戦で8勝目に到達した。チームはセ5球団で唯一勝率5割だった中日を敵地で破り今季最多の貯金8としV率100%ターンにも成功。首位を争う後半戦に、大黒柱が大きな弾みをつけた。

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 勝負どころで、力の抜き加減が熟練の技だった。菅野が最初に迎えたピンチは3回2死一、三塁で3番高橋周。追い込んでから選択したのはフォークだった。「(高橋周は)当てるのが上手。最近はフォークがいいので、真っすぐも使いながら追い込めたのでああいう結果になった」。空を切らせ空振り三振。打ち気のバットを逆手に取った。

 5奪三振と要所で打ち取ると同時に、9個のゴロの山を築いた。フォーク、カット、スライダー、カーブでバットの芯を外す総合力で6回1失点。8勝目に到達した。チーム最多で前半戦トリを締めくくった自信と、あふれ出る責任感が菅野の口を突く。「出来過ぎとも思わない。ただ、イニングがあまり投げられていない。(チームに)勝たせてもらっているので。長いイニングを投げさせてもらえるように頑張りたい」。勝利の余韻に浸るよりも、7回のマウンドに立てなかったことが悔しかった。

 昨季最終盤に自信を取り戻すきっかけをつかんだ場所だった。自身ワーストの4勝だった昨年。9月16日敵地中日戦で5回2死二、三塁で岡林を空振り三振に打ち取った154キロの直球に、活路を見いだした。投げ終わりで跳ね上がる右足を動画で見返して、最大出力に自信を持てた。「昔よりも絶対トレーニングを積んできている。いいメカニズムで投げればこうなるんだ」。やってきたことは間違っていなかった。

 チームにとって、90年以来34年ぶり12度目となる、セ5球団すべてから前半戦勝ち越しを決めた。過去11シーズンはいずれもリーグ優勝を収めているV率100%ターン。7勝の戸郷、山崎伊を1歩先で引っ張る姿に、阿部監督も「後半戦も厳しい戦いが多くなると思うので、そこでも頑張ってもらいたい」。菅野の日曜劇場は、後半戦に続く。【栗田成芳】