佐々木朗希、高橋光成、田口麗斗、高橋奎二…メジャー希望も「株が暴落」の現実

AI要約

プロ野球では「投高打低」の傾向が顕著になっており、打者と投手のパフォーマンスに注目が集まっている。

一部の投手はメジャー挑戦を模索しており、好成績を収める選手もいる一方で、挑戦を控える選手も存在している。

個々の選手には課題や評価として、体力面やパフォーマンス面など様々な要素が影響している。

佐々木朗希、高橋光成、田口麗斗、高橋奎二…メジャー希望も「株が暴落」の現実

 今年のプロ野球は「投高打低」の傾向が顕著になっている。

 規定打席到達の打者で打率3割をクリアしているのは、セ・リーグでドミンゴ・サンタナ(ヤクルト)と丸佳浩(巨人)のみ。パ・リーグも近藤健介(ソフトバンク)、辰己涼介(楽天)のみだ。(7月17日現在)。一方の投手陣を見ると、セ・リーグは防御率0.88をマークしている大瀬良大地(広島)を筆頭に、規定投球回数到達者で防御率1点台以下が6人もいる。

「規定投球回に到達していないが、11試合に先発登板し、防御率0.58をマークしている高橋宏斗(中日)をメジャーの複数球団が投球内容をチェックしています。何年後になるか分かりませんが、メジャー挑戦となれば争奪戦は必死でしょう。森下暢仁(広島)、戸郷翔征(巨人)、宮城大弥(オリックス)、今井達也(西武)、故障で戦列を離れていますが平良海馬(西武)も米国で評価が高いですね」(米国で取材するスポーツ紙記者)

 一方、こんな「投高打低」状況にありながら、メジャーに挑戦する意思を表明していたものの今年のパフォーマンスによって株を落とした投手たちがいる。

■勝ち星がつかない高橋光成

 その筆頭格が高橋光成(西武)だ。2019年から4度の2ケタ勝利と投手陣を牽引してきたが、今年は10試合登板で0勝8敗、防御率4.42と思いもよらぬ結果に。右肩の軽い張りで開幕2軍スタートとなり、4月14日に1軍昇格したが好投しても打線の援護に恵まれず白星がなかなかつかない。チームが最下位に低迷したことで焦りもあっただろう。5月下旬以降は試合序盤で痛打を浴びる登板が目立つようになり、6月24日に登録抹消された。ファームで調整しているが、まだまだ本来の状態に程遠い。

 メジャーリーガーの代理人はこう分析する。

「高橋光成は何年も前から興味を持ってチェックしていました。体を大きくする肉体改造が裏目に出ているという指摘があるが、そうは思わない。球速は150キロ近く出ているし、奪三振率も昨年より大きく落ちているわけではない。気になるのは浮いた変化球が目立つこと。投球フォームのメカニズムで少し狂いが生じているのかもしれない。これから改善されると思うが、今のパフォーマンスでメジャー契約を勝ち取るのは厳しい。それは本人も分かっているでしょう」

■佐々木は「日本でやることがまだまだある」

 メジャーからの評価が高かった佐々木朗希(ロッテ)は投球以前の状況になっている。開幕から先発ローテーションで稼働していたが、5月28日に疲労回復の遅れで登録抹消に。最短の10日間で復帰して、6月8日の広島戦で6回1失点に抑えて今季5勝目を挙げたが、この登板を最後に「右上肢のコンディショニング不良」で再び戦線離脱。1カ月以上が経過したが、登板のメドが立っていない。ここまで9試合登板で5勝2敗、防御率1.96。マウンド上で見せるパフォーマンスは圧巻だが、投球回数59回2/3は先発の柱として役割を果たしているとは言えない。

 前出の米国で取材するスポーツ紙記者はこう指摘する。

「佐々木は昨オフのウインターミーティングで各球団の編成担当、GMの間で『いつメジャーに挑戦するんだ』と話題にのぼっていましたが、今は米国メディアの間で取り上げられなくなりました。メジャーは勝ち星、防御率より重視されるのがイニング数です。先発ローテーションで回れないようだと計算が立たないし、救援陣に負担が掛かる。能力は申し分ないのですが、毎年故障で離脱しているので、シーズンを完走して実績を築き上げないと。ロッテもポスティングシステムを認めないでしょうし、メジャー挑戦は早くても2、3年後じゃないですかね。スタミナをつける、体の強度を上げることを含めて日本でやるべきことがまだまだたくさんあると思います」