柔道金鷲旗女子・大牟田「優勝で恩返しを」九州女王の2年生エースが狙う昨年越え、そして頂点【連載「武道の花」②】

AI要約

大牟田は過去最高の8強入りを果たし、2年生エースの髙橋南乃を軸に頂上を目指す。

福岡県の女子柔道は金鷲旗優勝5度の強豪・敬愛が圧倒的な存在だが、大牟田は〝敬愛の壁〟を崩し初優勝。

髙橋は若干5歳から柔道を始め、順調な成績を収めながら新型コロナ禍で試練を乗り越えた。

柔道金鷲旗女子・大牟田「優勝で恩返しを」九州女王の2年生エースが狙う昨年越え、そして頂点【連載「武道の花」②】

 昨夏の金鷲旗女子で過去最高の8強入りを果たした大牟田(福岡)が、2年生エースで大将の髙橋南乃(よしの)を軸に頂上を見据えている。

 福岡県の女子は金鷲旗優勝5度の敬愛が圧倒的な強さを誇る。前回大会の準々決勝で大牟田が敗れた相手でもあった。それでも今年6月の九州大会決勝で、大牟田は〝敬愛の壁〟を崩して初優勝した。先鋒として得意の体落としで一本勝ちした髙橋は「ここまでやってきて良かった」と歓喜の涙に浸った。

 熊本市出身の髙橋は5歳から同市の柔道教室「講明塾」(現・気流館)で鍛錬してきた。小学6年時の2019年には全国小学生学年別大会女子45キロ超級でベスト8。指導した野中啓明さんは当時の高橋を「決して手を抜かず、全力で稽古に取り組む選手だった」とたたえる。

 だが同市の龍田中に入学後、新型コロナウイルス禍に見舞われる。柔道をできない時期が長くなり「このままでは弱くなる」と焦っていた時、大牟田の松岡亮監督から練習に誘われた。当時高校3年で全国選手権無差別級2位となった矢野真鈴(まりん)=山梨学院大=や現3年生らの胸を借りた高橋は、中学3年時の22年に全国中学校大会女子70キロ級を制した。

 九州女王として迎える金鷲旗。髙橋は「大牟田の優勝に貢献して皆さんに恩返しをしたい」と意気込む。前回に続いて大将を務める髙橋の前には、主将で全国総体78キロ超級出場を決めた中堅の横尾心香(ほのか)=3年=ら全国の強豪に引けを取らない選手が控える。切磋琢磨(せっさたくま)したチームと今度は全国の頂点を目指す。(山崎清文)

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 武道に青春を燃やす全国の高校生が伝統の大旗を目指す金鷲旗・玉竜旗高校柔剣道大会(西日本新聞社など主催)が22日、福岡市の照葉積水ハウスアリーナで開幕する。パリ五輪にも負けない熱闘を誓う地元九州の有力チームを紹介する。