和歌山南陵が初戦突破 昨年度より募集停止でメンバーは3年生10人「一歩前へ」/和歌山大会

AI要約

和歌山南陵が紀北農芸を4-0で打ち破り、初戦の2回戦を突破。松下光輝投手が12三振を奪い、堂々の完封勝利。チームは新たな校歌を球場で披露し、団結力を見せた。

チームは経営難により苦しい状況から抜け出し、環境改善が実施された。新理事長により校歌がリニューアルされ、部員達はレゲエの曲調で歌うことができた。

野球部は少数精鋭で戦い、団結力を発揮。岡田監督も新しい校歌を称賛し、甲子園出場を目指すチームに期待を寄せている。

和歌山南陵が初戦突破 昨年度より募集停止でメンバーは3年生10人「一歩前へ」/和歌山大会

第106回全国高校野球選手権大会和歌山大会(16日、和歌山南陵4-0紀北農芸、紀三井寺)一昨年、昨年と2年連続でベスト4の和歌山南陵が9安打4得点して紀北農芸を4-0で下し、初戦の2回戦を突破した。

3年生ばかり10人のチームが力強く相手を押し切り、6月に発表されたばかりの真新しい校歌を球場に響かせた。先発した松下光輝投手(3年)は8回を投げて12三振を奪う快投で4安打無失点。伸びのある直球は最速143キロをマークして相手打線を圧倒し、打撃でも一回に先制の適時三塁打を放って躍動した。

「甲子園に行けると思っている。一戦一戦、接戦を勝っていく」。一昨年、昨年の夏は準決勝まで進んだが、松本は今年のチームを「人数が少ない分、団結力がある。チームワークは僕らの方が上です」と評し、先輩たちを超える強い気持ちを露わにした。

学校を運営する法人は経営難から一昨年に教職員の給与未払いなどが発覚。昨年度より新たな生徒募集を停止し、現在の全校生徒は全日制の3年生18人に。野球部は3年生10人で戦う。現在の部員は1年時から寮の食事で満足できる量が食べられなかったり、グラウンドの照明設備が使えなかったりと、練習面でも制限を強いられてきた。

しかし、今年4月より経営陣を一新し、環境が大きく改善。寮の食堂は生徒に十分な食事を提供するべくリニューアルされ、打撃マシンやグラウンドの照明で夜間の練習が可能になった。

松本は「寮の食事のおかずも多くなりすごくおいしい温かい料理をいただけるのでパワーもついて球速も出るようになった。次は145キロを出す」と環境改善に感謝した。

4月に就任した新理事長がシンガーの横川翔、レゲエシンガーのWARSAN、レゲエユニットのinfinity16に依頼して6月に新しい校歌が出来上がった。ナインは今夏の初戦からホームベース前で整列してみんなでレゲエの曲調の校歌を口ずさむことができた。

歌詞は「やれるやれるやれるさ」「一歩前へ」とポジティブな言葉が並ぶ。岡田浩輝監督(27)は「すごくいい歌。いまの南陵高校にすごくあっている。いま一歩前に進まなきゃいけない状況にあるなかで、それを歌っている」と言葉の力も指摘した。この夏、何度も歌って初の甲子園出場をかなえてみせる。