世界水連、パリ五輪に向け中国選手のドーピング検査強化

AI要約

ワールドアクアティクスは、パリ五輪出場の中国競泳選手のドーピング検査回数を増やす方針を示す。

競泳選手23人がトリメタジジンの陽性反応を示した事件が報じられ、中国側は食品汚染を主張。

世界水連が増加した検査回数についてWADAの対応を支持し、今回の方針を歓迎。

世界水連、パリ五輪に向け中国選手のドーピング検査強化

【AFP=時事】ワールドアクアティクス(World Aquatics、世界水連)は15日、開幕が迫るパリ五輪に出場する中国競泳選手のドーピング検査回数を増やす方針を明らかにした。大会での検査は、国際検査機関(ITA)によって実施される。

 世界水連の反ドーピング監査委員会は報告書で、「特定国の一定数の選手は、2024年1月からパリ五輪開幕までの期間に、(自国の反ドーピング機関による検査に加えて)ITAから4回検査を受ける」と発表。さらに「パリ五輪に出場する中国選手を含む他の一定数の選手は、同じ期間に少なくとも8回の検査が行われる」とし、「中国選手の全検査については中国反ドーピング機関(CHINADA)以外の検体採取機関が実施し、中国国外の研究所で検体を分析するようITAが最善を尽くす」と述べた。

 米紙ニューヨーク・タイムズとドイツ公共放送ARDは今年4月、中国の競泳選手23人が2021年に、東京五輪直前に行われた国内大会の検査でトリメタジジン(Trimetazidine)の陽性反応を示していたと報じた。

 CHINADAはこの検査結果について、選手たちが宿泊ホテルで汚染された食べ物から意図せずに摂取したためと結論づけ、処分は不要と判断。この中国側の主張を世界反ドーピング機関(WADA)も受け入れ、制裁を科さなかった。このとき陽性が判明していた中国選手のうち11人が、今月開幕するパリ五輪の代表に選出されている。

 世界水連の審査委員会は、この問題に関するWADAの対応を支持している。一方で、パリ五輪の競泳競技が27日から始まる中、WADAは世界水連の今回の方針を歓迎した。【翻訳編集】 AFPBB News