【松戸競輪(ナイター)GⅡサマーナイトF】初心に返った小林優香「プライドは養成所に捨ててきた」

AI要約

九州王国が再興を目指し、競輪の大会で準決勝に進んだ4人の選手たちの結果が振るわず、ファイナリストには至らなかった。

ガールズ競輪では、久留米勢の選手3人が決勝に進出し、小林優香が山原さくらを逆転して勝利。

小林優香が養成所の所長に呼び出され、初心に戻って競走に臨む決意を固めた。

【松戸競輪(ナイター)GⅡサマーナイトF】初心に返った小林優香「プライドは養成所に捨ててきた」

<14日・松戸競輪・2日目>

<九州王国 再興へ>

 準決に4人が進んだ九州勢は、ファイナリストが出なかった。11Rは初日特選を捲って勝利した山崎賢人が山田英明と連係したが、先行できてたものの失速。「状態は悪くなかった。でもちょっと距離が長かったかも」と2周以上を駆ける展開はやや厳しかった。それでも「状態はいい。久留米でも走ったし、競輪のレース勘も問題ない」と表情は明るい。12R、伊藤颯馬―小岩大介が最後のとりでだったが、北井佑季の番手に飛び付きながら横の動きを多用した伊藤は落車。目標を失った小岩も敗退した。なかなか結果の出ない九州勢だが、準決に4人と徐々に勢力を広げつつあるのは間違いない。8月のオールスターには20人が出場予定。次こそはやってくれるはずだ。

 ガールズでは、久留米勢3人が決勝に進んだ。まず2R、小林優香が逃げる山原さくらを好追。4角から差し切って勝利を挙げた。「さくらさんのスピードが良かったのでゴール勝負と思った」と状況判断は的確。「後ろから差されていないし、いいと思う」と手応えもある。

 小林は今月5日、日本競輪選手養成所で候補生に向けて講演した。その後、滝澤正光所長に呼ばれて会談。「初心に返れと言ってくださいました」。それからは「実績もプライドも、養成所に捨ててきました。10年目になりますが、デビューしたときの新人の気持ちで来た」。2014年5月のデビュー。直後からの快進撃で、同年7月の第1回大会(松戸)に出場して完全V(2日制)。翌年の3日制函館で連覇、第4回の伊東で大会3Vを果たした。デビュー10年を機に初心に返り、再びあの輝きを取り戻す。

 「今回、すごい声援だった。今、この成績でこんなに応援してもらえるのかと思った」と、勝利の後はスタンドに手を振って応えた。松戸のファンは〝ガールズの申し子〟を忘れていない。大会3Vは石井寛子と並び最多。単独の4Vへと決勝で力を出し切る。

 小林の2着は尾方真生。3Rで2着の児玉碧衣と、同門の〝3姉妹〟がそろった。ガールズのこの10年を盛り上げてきた久留米勢が、最後もVでフェスティバルのフィナーレを飾る。