「年俸339万円だった右腕が…」中日ファンが思い入れる新星・松木平優太とは何者か?「両親と幼少期に別離」の境遇「夢はいつかおばあちゃんと…」

AI要約

中日下位低迷中に新星松木平優太が一軍初登板、DeNA戦で牧秀悟を3凡退に成功

松木平は4失点で敗戦も、安打8本で強打線に対抗、与四球1つに抑えた

家庭の厳しい経験を持つ松木平には、おばあちゃんとの共同生活を夢見る人柄も注目されている

「年俸339万円だった右腕が…」中日ファンが思い入れる新星・松木平優太とは何者か?「両親と幼少期に別離」の境遇「夢はいつかおばあちゃんと…」

 セ・リーグ下位に低迷する中日に突如出現した新星に、ファンは喝采を送った。7月10日のDeNA戦(横浜スタジアム)で、松木平優太(まつきひら・ゆうた)が先発で一軍初登板。その2日前まで年俸339万円だった育成右腕が、2億3000万円の牧秀悟を3打席凡退に打ち取るなど、7回を8安打、3失点に抑えた。

 敗戦投手にはなったものの、強打線を相手に一切ひるむことはなく、与えた四球も1つだけ。立浪和義監督も「もう一度チャンスをあげたい」と合格点を与えた。

 8日に支配下登録され、背番号は「206」から「69」に、年俸は上がってなお420万円。しかし、ナゴヤ球場に日参する熱心なファンの間では、早くからプロスペクトとして位置づけられ、支配下昇格が待ち望まれていた。

 立浪監督の評価も高く、2年目から一軍キャンプに抜擢。ポテンシャルの高さを数字で裏付けたのが今シーズンのウエスタン・リーグでの無双ぶりだ。14試合に投げリーグトップの9勝3敗、防御率1.84。二軍レベルでないのは明らかで、オールスター前の8連戦で先発投手が不足するスケジュールに合わせ、支配下登録と先発抜擢が決まった。

 松木平の名が注目されるのは、能力だけではない。境遇が人の心を惹きつけているのかもしれない。2歳で両親が離婚。ここまでならよくあるだろうが、インドネシア人の父とはそれきりで記憶にもほとんど残っていない。母は松木平が小学2年の時に病気で亡くなった。そこからは姉とともに母方の祖父母に育てられた。その祖父も高校生の時に他界。そして家庭の事情で祖母も千葉県内の老人施設へと移っていった。

 そんな経緯があり、松木平には「自分がしっかり稼げるようになって、おばあちゃんとお姉ちゃんといっしょに暮らしたい」という夢がある。こうした暗くなってしまいがちな話題も、松木平は包み隠さず、なおかつ明るい表情で明かす。「松木平マニア」が増えているのは、能力だけでなくその人柄があってのことだろう。