原口健飛が今思うこと GLORY初の日本人王座なるか キックボクシングの頂点にアタック

AI要約

キックボクシングのイベント「GLORY93」で、RISEの原口健飛がペットパノムルン・キャットムーカオに挑戦する。

原口は2度対戦していずれも判定負けし、今回は異なるスタイルで臨むことを明かす。

原口は初めての海外遠征に挑み、自身の適応力とペッチに勝利する意欲を示す。

原口健飛が今思うこと GLORY初の日本人王座なるか キックボクシングの頂点にアタック

 20日(日本時間21日)にオランダ・ロッテルダムで開催される「GLORY93」で、RISEの原口健飛(26)=FASCINATE FIGHT TEAM=が、ペットパノムルン・キャットムーカオ(29)=タイ=のGLORY世界フェザー級王座に挑戦する。現在、キックボクシングでは欧州のGLORYとアジアのONEが二大メジャーといえるが、GLORY初の日本人王座を目指す原口の胸中は?

 キックボクシングは1960年代後半から70年代前半に沢村忠、90年代半ばから2000年代にK-1が一大ブームを巻き起こした。22年に那須川天心と武尊が東京ドームで頂上対決を行った「THE MATCH」が大きな話題を集めた後、一般的な注目度は下がっているが、今も日本人選手のレベルは高い。

 原口はRISEで21年11月14日と22年8月21日にペットパノムルン(ペッチ)と対戦し、いずれも判定負け。初対戦は「初めてあんなにボロボロにされた」苦い思い出だ。ペッチは「唯一無二というか、あんなヤツ見たことない。キックボクシングをさせてもらえない選手」なのだという。

 2戦目後の約2年「ペッチと対戦するためだけにやってきた」という原口は、ペッチが判定勝ちだったアンバー・ボイナザロフ(35)=ウズベキスタン=を昨年7月2日に1回KOするなど結果を積み上げて、再々戦にこぎ着けた。「正直これが最後だと思っています」と背水の陣で臨む。

 今回は過去2戦と「違うスタイル」で臨むといい、具体的には「ボコボコ作戦です。とにかく殴り続けるのがテーマなので、殴り続けられるように練習しています」と内容を明かした。

 過去2戦はホームのRISEだったが、今回はオランダ。海外渡航は初めてだが「何も知らんからいけるって思っています。アホになった方がいいかなと思って」と臆するところはない。「こんな性格なのでたぶん余裕やと思う。環境にはすぐ慣れるタイプなので、キレイな国であれば大丈夫。1人で行くわけじゃないので全然不安はない。気持ちがあればなんでもいけるんじゃないですか。通訳もおるし、別に心配はない」と、適応力には自信を持っている。

 これまでGLORYの世界王座に就いた日本人はいない。昨年8月には70キロ級で国内最強と目されるシュートボクシングの海人(26)=TEAM F.O.D=が、ライト級王者ティジャニ・ベスタティ(26)=モロッコ=に挑戦するも判定負け。原口は自分にとってGLORYのベルトより「ペッチに勝つことの方が大きい」と認めつつも「ペッチがベルトを持ってくれているだけでGLORYのベルトを取りたいなと思っていたので、めちゃくちゃいい」と一石二鳥には意欲十分だ。

 ペッチへの苦手意識は「もう全くない」といい「ペッチに勝つこと自体が歴史的なので、とにかく勝てばいいかなって感じですね。歴史的な勝利を持って来られるように頑張ります」と意気込む原口。宿敵超えを果たすとともに、世界キック史に己の名を刻む。(デイリースポーツ・藤澤浩之)

 ◆原口健飛(はらぐち・けんと)1998年4月9日、兵庫県伊丹市出身。幼少期に空手を始め、17歳でプロボクシングデビュー。2017年、キックボクシングでプロデビューした。20年、RISEライト級王者。23年、ISKA世界ライトウエルター級王者。18、20年にRIZIN参戦し、大雅と1勝1分け。22年、THE MATCHでK-1の山崎秀晃にKO勝利。175センチ。血液型A。戦績26勝(17KO)3敗1分け。FASCINATE FIGHT TEAM所属。