村上桜ケ丘の背番10渡辺勇陽がノーノー「早く打たれやがれ、と」監督も逆説的にたたえる/新潟

AI要約

村上桜ケ丘の渡辺勇陽投手が新潟西戦でノーヒットノーランを達成。

渡辺勇は快挙を成し遂げた公式戦初先発で13三振を奪い、4人の走者しか許さなかった。

村上桜ケ丘監督は渡辺勇の強心臓ぶりをたたえ、未来への期待を寄せた。

村上桜ケ丘の背番10渡辺勇陽がノーノー「早く打たれやがれ、と」監督も逆説的にたたえる/新潟

<高校野球新潟大会:村上桜ケ丘3-0新潟西>◇12日◇2回戦◇新発田市五十公野公園野球場

 村上桜ケ丘の背番号10、2年生右腕の渡辺勇陽投手が、新潟西戦でノーヒットノーランを達成した。打者31人に対して13三振を奪い、許した走者は四死球の4人だけ。公式戦初先発で快挙を成し遂げた。

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 打球の行方を見届けると、渡辺勇は右手を握りしめた。9回最後の打者は力強い真っすぐで左飛に仕留めた。13三振を奪った投球とは対照的に、淡々と投げ続けてきた右腕は、締めくくりだけ喜びを表した。公式戦初先発でノーヒットノーランを達成。「6回から気づいていたけれど、プレッシャーにならなかった」と胸を張った。

 強心臓ぶりは序盤から伺えた。1点リードの3回に1四球と連続死球で2死満塁のピンチを招いた。しかし「絶対抑える」と次打者と真っ向勝負。左飛に抑えて勢いに乗った。

 松田忍監督(74)は、先発を志願していた2年生右腕を逆説的に評価。「早く1本(安打を)打たれやがれ、と思っていた。夏は3年生のための大会だから、1本出たらすぐに代えようと思っていた」と笑顔を交えながらたたえた。ブルペンで準備していた赤沢裕斗投手(3年)は出番なし。エースを休ませられたことも大きかった。

 渡辺勇は「後半にギアを上げた」と、不安視されていたスタミナ面も134球を投げきってクリア。冬場に30メートル×30本のダッシュなどで黙々と鍛えてきた努力が実を結んだ。「次も(ノーヒットノーランを)狙います」。村上桜ケ丘に、頼もしい背番号10が現れた。【涌井幹雄】