「大谷から『城間のコントロールが欲しい』と言われて…」U18日本代表で同部屋に 甲子園準優勝の城間竜兵(29歳)が見た「素顔の大谷翔平」

AI要約

大谷翔平と高校時代のライバルである城間竜兵の韓国遠征でのエピソード

大谷は部屋では普通の高校生として振舞い、城間との会話でコントロールを褒められる

試合前に自己暗示を行う大谷の姿を目撃した城間

「大谷から『城間のコントロールが欲しい』と言われて…」U18日本代表で同部屋に 甲子園準優勝の城間竜兵(29歳)が見た「素顔の大谷翔平」

 ドジャースで活躍を続ける大谷翔平。高校時代、花巻東高(岩手)で活躍した大谷の「東北のライバル」のひとりだったのが、光星学院高(青森)の投手だった城間竜兵さんだ。現在は社会人野球のパナソニックで活躍する城間さんだが、実は高校時代のU18日本代表韓国遠征では大谷と同部屋だったという。そこで目にした「18歳の大谷少年」の素顔とは? 《NumberWebインタビュー全2回の2回目/最初から読む》

 2012年、高校3年生の夏の甲子園が終わると、準優勝した光星学院(青森、当時)の城間竜兵は、花巻東(岩手)の大谷翔平らとともに高校日本代表に選出された。

 遠征先の韓国・ソウルでの宿舎では城間は大谷と同部屋になった。同じ東北地方ということもあり試合では何度も顔を合わせていたが、実は大谷とはまともに会話をしたことがなかったという。だが、周囲の目のない素の姿の大谷は、いい意味で想像を裏切ることばかりだった。

「遠征は2週間近くあって同じ部屋にいたので、色んな話をしました。その時に思ったのは……意外と普通の人なんやなって(笑)。今はもうしないかもしれないですが、部屋でポテトチップスを食べていましたしコーラも飲んでいました。キャラクター的に、もう少し堅いというか、真面目な感じかと思っていたので、その辺りは自分たちとは変わらないんやなって思いました。

 話していても気さくで裏表がないし、普通の高校生という感じでした。部屋もきれいに片づけていましたし。寝る時、僕のいびきがうるさかったのかもしれないんですけれど、いつも耳栓をしていたのは覚えています。あと……やっぱり背が大きいので、ベッドに寝ると足はいつもはみ出ていましたね(笑)」

 国際大会は基本的に試合や練習、散歩などの全体的な行動以外は外出ができない。そのため、宿舎内でもミーティングや食事会場に行く時以外は一緒に部屋にいることが多かった。

「唯一覚えているのが、『160km投げていていいなぁ』って話したら、『僕はコントロールがあまり良くないから、城間はコントロールが良いのがうらやましい。160kmのスピードをあげるから、城間のコントロールが欲しい』って言われたんです。それって最高の褒め言葉をもらったのかな……って。一生自慢できますよね(笑)。大谷と同じ空間で2週間ほど一緒に過ごすなんて、誰にでもできる経験じゃなかったですしね」

 4番DHで試合に出場することになっていた試合の前夜。さあ寝ようと電気を消すと、隣から何やら怪しい声が聞こえてきたという。

「大谷が何かずっとブツブツ言っているんです。何を言っているんやろうと聞いていたら『絶対打てる、絶対打てる、絶対打てる』って唱えていたんです。あの時は“怖っ! ”と思って、思わず大谷に『何言ってるん? 』って聞いたんです。そうしたら『これを言ったら、自分に暗示じゃないけれど打てるんよ』って言われて。

『どうやろ、打てへんかったりして』って冗談を言ったら『やめてくれよ』って言われました(笑)。実際、試合では打っていましたけれど。自己暗示じゃないですけれど、そういうところから自分をコントロールして、自分を信じながらモチベーションを上げていたんでしょうね。ルーティンだったのかも知れないですけど」