神田コウヤ、ベルトを失って生まれた欲「もっと稼げる」 塩試合の批判で付いた“火”と自信「自分を変えたい」

AI要約

神田コウヤが14日の格闘技イベントに出場。自信を持ち、準備を整える姿勢を見せる。

過去2試合の連敗から学び、新しい環境でのトレーニングを取り入れる。精神面でも成長を感じている。

神田は今回の試合で勝利を必要としており、新たな挑戦を積極的に取り組む構えを見せている。

神田コウヤ、ベルトを失って生まれた欲「もっと稼げる」 塩試合の批判で付いた“火”と自信「自分を変えたい」

 総合格闘家の神田コウヤ(THE BLACK BELT JAPAN)は14日、格闘技イベント「DEEP 120 IMPACT」(東京・後楽園ホール)に出場する。今年3月の青井人戦でフェザー級王座防衛を失敗し現在、2連敗中だが焦りはない。木下カラテ戦を前にみなぎる自信について明かした。(取材・文=島田将斗)

「もっと勝ちたいしもっと稼げる」――。普段冷静な神田がこれまで見せたことのない“渇き”とも言える感情をむき出しにした。

 昨年は王座戴冠に「Road to UFC シーズン2」への参戦とキャリアのなかで一番注目度が高まった一年だった。しかし、直近2戦では連敗。試合内容も対戦相手と見合う展開が多く、ファンから批判の声が届いたのも事実だ。これまでは、そんな声に対し「それも作戦」と一蹴していたが、変化が出てきていた。

「そのときは自分のなかで正しい判断をしたと思う。でもいまはもっといけるなって……。前はギリギリの精一杯でやっていました。でもいまは自信があるからもっとやれると思う。それって虚勢でもなんでもなくて日々の積み重ねで得たわけで」

 今回は、普段とは違う環境でのトレーニングも取り入れた。TBJ沖縄に6日間滞在。地元選手が神田から一本を取ろうとするなか、緊張感のある練習を積んできた。精神面でも大きな収穫があった。

「いままでは100%にメンタル面は仕上げていました。今回はそれ以上。自分のリミッターを解除していって、自分の限界を超えてステップアップしたいなって思っちゃう。キャリア序盤のフィニッシュをしているときは限界を超えてやっていたと思うんですけど、連勝したり肩書きができると守りに入ってしまっていました。そのなかで相手もどんどん強くなる。だからギリギリの闘いを強いられることが多かったのかもしれませんね」

 今回の対戦相手の木下は名前の通り、空手がバックボーンの選手だ。前戦では五明宏人相手に派手なKO勝ちを収めている。

「めちゃくちゃ攻撃力のある選手。空手って一撃必殺ですよね。相手は良い勝ち方もするし良い負け方もする。だから1Rからくると思うんですけど、そこをいかに向き合って戦うのかだと思っています」

 神田の直近2戦の敗戦は全て判定決着。だからこそ悔しさもある。「フィニッシュできる部分で仕留めないと判定もどうなるか分からない。相手も一撃があるので、しのがれると逆に自分が危ないのかなと」と警戒感をあらわにした。

 それでも自信を積み上げてきた。「練習でも負けない」と総合的に実力がついてきたことを明かした。

「油断してるわけではなくて強い相手でも普通にフィニッシュできると思っている自分がいるんです。それを試合で見せたい。試合で見せられないと格闘家じゃないし。自分を変えたい。もっといける気がするんです。もっと勝ちたいしもっと稼げる。自分を信じてあげたいなって」

 勝利に飢えている。これまでとは明らかに違う。冷静さもあるが、格闘家らしい鋭い感情も声色から感じ取れた。

「いまの感じはデビュー戦に近い。連敗もしているし王者になって一回やりきったと思っていて、本当にいまが平澤宏樹戦(デビュー戦)に近い感覚。デビュー戦のときが自信のピークで、1度谷を味わって、ダニング=クルーガー効果の山の上に来ていると思います。ギラギラしているときの自分が戻ってきてますね」

 格闘家として「もうひと皮むけたい」と真っ直ぐ前を見る。

「これまでは自分のパフォーマンスを維持することを心掛けていました。そういうのって試合にも出ちゃう。維持することももちろん大変なんですけど、それだけではなくて向上をしたいなって自分は思う。それがどんどん試合のスタイルに現れていくはずです」

 もう膠着状態は作らない。

「試合でもっとフローを感じたい。膠着せずに流れを感じてどんどん動き続けたい。フィニッシュとかチャンスがあればどんどん狙っていくつもりです」

 明らかにマインドが変わった。言葉だけでなく、試合内容で観客にそれを伝えられるのか。イチから仕切り直した神田が14日、再スタートを切る。