「赤字でもJ1残留」北海道コンサドーレ札幌の大きな賭け。三上大勝GM「クラブがなくなることは絶対にない」

AI要約

コンサドーレ札幌が大型補強でJ1残留を目指す方針を明らかにした。

三上GMは最大6人の補強を計画しており、契約が既に結ばれている選手もいる。

札幌はJ1残留を優先し、赤字を覚悟でクラブの存続をかけた取り組みを展開している。

「赤字でもJ1残留」北海道コンサドーレ札幌の大きな賭け。三上大勝GM「クラブがなくなることは絶対にない」

 北海道コンサドーレ札幌は11日、サポーターとのオンラインミーティングを実施し、三上大勝GMが参加した。12年ぶりのリーグ戦8連敗を喫した札幌は、勝ち点11で最下位に沈んでいるが、三上GMは赤字を覚悟で大型補強に乗り出し、奇跡に近いJ1残留を目指す。

 三上GMはオンラインミーティングで、最大6人をこの夏の登録ウィンドーで獲得することを示唆した。そのうちの2人はすでに獲得が発表されているフランシス・カンと、6月29日のアルビレックス新潟戦から出場している大﨑玲央。さらに4人の加入が随時発表されていくという。

「今週末にはFWの選手、週明けには3バック、左のワイド、攻撃的な(ポジションができる)2選手が合流する予定で調整しています。週末には最後の補強になるであろうFWがチームに合流する準備を進めています」

 オンラインミーティング後の取材に対応した三上GMは「クラブ史上最大となる」大型補強に際して、パートナー企業の追加支援があったことを明かし、「プライオリティとしては、J1残留に重きを置いた」と述べた。

 さらに、補強と並ぶ両輪として、「1人でも多くの方にスタジアムに来ていただくのが大事」と三上GMは話す。オフィシャルトップパートナーの石屋製菓を含めた数社の協力を仰ぎ、「過去最大規模」となる10万人規模の招待を計画している。「補強も大事だが、1人でも多くの方々に札幌ドームに来ていただくのも大事」と三上GMは訴えた。

 三上GMはオンラインミーティングの中で、「赤字になってもJ1ということで経営の舵を切っている」と述べた。Jリーグのクラブライセンス制度のコロナ特例措置は2021年度で終了。クラブを運営するコンサドーレは2023年度まで6期連続の赤字で、25年度には黒字に転換しなければならなくなるが、リスクを負ってでもJ1残留を目指すこととなった。

 残留圏内との勝ち点差は16試合を残して12ポイントまで広がっており、客観的に見れば残留は奇跡と言えるだろう。そんな中でも札幌は、「クラブがなくなることは絶対にないという担保を持ったうえで、黒字よりもJ1残留」を目指すために大きな賭けに出た。

(取材・文:加藤健一)