慶応でただ1人の丸刈り「イッキュウ」3安打2打点、森監督「どんどん輝いてほしい」/神奈川

AI要約

慶応高校は横須賀学院を14-3で破り、酒井一玖選手が3安打2打点で輝いた。

酒井は丸刈りが特徴で、チャームポイントとなっている。チームにとっても能力を買われる存在だ。

甲子園への出場に向けて、酒井は成長し、さらなる期待がかかっている。

慶応でただ1人の丸刈り「イッキュウ」3安打2打点、森監督「どんどん輝いてほしい」/神奈川

<高校野球神奈川大会:慶応14-3横須賀学院>◇2回戦◇11日◇サーティーフォー相模原球場

 慶応ナイン唯一の丸刈り「イッキュウ」こと酒井一玖内野手(2年)が、グラウンドで輝いた。

 昨夏甲子園Vの慶応は、横須賀学院に14-3で7回コールド勝利。初戦を突破した。「2番二塁」で先発出場した酒井は、3安打2打点で勝利に大きく貢献した。2年連続の甲子園切符まであと6勝。昨夏はアルプスから応援して注目を集めた「イッキュウ」の熱い夏が始まった。

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 丸刈りがチャームポイントの「イッキュウ」こと酒井は、初戦前日に髪を2ミリの長さにした。地元が千葉で、幼少期は専大松戸のファン。凜(りん)としたカッコいいお兄さんたちにあこがれた。甲子園の季節になると、進んで頭にバリカンを当てた。中3の夏に軟式野球部を引退後、1度髪を伸ばした時期もあったが、やっぱり落ち着くのはこのスタイル。髪形自由な慶応では異彩を放つ。「いろんな髪形の人がいて良い」と話した上で「ちょっと気合入れようかな」と、今年も“夏の儀式”を行った。

 横須賀学院との初戦。「2番二塁」でスタメン出場した。3安打2打点1盗塁。4回には深く守っていた一塁手に対して内野安打をもぎとるなど、50メートル6・5秒の足も絡めてグラウンドを駆け回った。初戦白星に「ホッとしてるんですけど、内容的にはうまくいってないので、次までにレベルアップして最後までベストを尽くしたい」と自身のも含めたチーム2失策を反省し、改善を意気込んだ。

 森林貴彦監督(51)も「走攻守のポテンシャルを秘めている下級生」と、能力を買っている。チャームポイントについては「うちで唯一の存在なので、どんどん輝いてほしい」と、さらなる期待を込めている。

 1年生の昨夏はスタンドから応援。「慶応唯一の丸刈り」として注目を集めた。初ベンチ入りの時期を報道陣から聞かれ、「夏にベンチで戦うのは初めてです」。1年前はスタンドから戦っていました-。「イッキュウ」は純真の笑顔でそう答える。

 髪が伸びるよりも早く、すさまじいスピードで成長している。甲子園へ今年も戻るべく、ひとやすみはしていられない。【佐瀬百合子】

 ◆酒井一玖(さかい・いっきゅう)2007年(平19)9月1日生まれ、千葉県流山市出身。小2から豊上ジュニアーズで野球を始める。小6で千葉ロッテマリーンズジュニアに選出。中学は東京・上一色中の軟式野球部でプレー。憧れの選手は阿部慎之助。174センチ、78キロ。右投げ左打ち。