MAX120キロ”遅速左腕”が完投! 豊富な投手陣誇る桜井が昨秋4位校破る【24夏・奈良大会】

AI要約

桜井が3点を先制して勝利を収めた試合。投打で活躍した上島颯太が大きな存在だった。

上島は打撃でランニング適時打や二塁打を放ち、投球でも巧みな緩急で打者を抑えた。

バックも堅守し、上島の好投に応えてリリーフの必要がないまま完投勝利を果たした。

MAX120キロ”遅速左腕”が完投! 豊富な投手陣誇る桜井が昨秋4位校破る【24夏・奈良大会】

<第106回全国高等学校野球選手権奈良大会・2回戦◇桜井 3-1 奈良北◇10日◇さとやくスタジアム>

 1回裏に3点を先制した桜井が逃げ切った。

 投打で勝利の立役者となったのが5番投手で背番号7の左腕・上島 颯太(2年)。投げては8安打2四球3奪三振で1失点完投、打っては4打数2安打1打点の活躍を見せた。

 まず見せ場を作ったのは打撃。2点リードの1回裏に一死三塁から中前適時打を放つと、3回裏の第2打席では右中間への二塁打で出塁した。

 これで勢いに乗った上島はマウンドでも躍動。ストレートの最速は「120キロいかないくらい」だが、「ストライク先行のピッチングができた」とスライダーやカーブで緩急を上手く使い、打たせて取る投球で凡打の山を築いていく。

 桜井には最速141キロ右腕のエース・植田 悠介(3年)など多彩な投手陣を擁する。しかし、リリーフを仰ぐ必要がないほどにこの日の上島の状態が良かった。

 それに応えてバックも無失策で応える。春の県大会では8失策で負ける試合があったが、「二遊間中心にミスなく守り切ってくれたのが今日の勝因かなと思います」(木下正貴監督)と遊撃手の水島 忠宏(3年)を中心に堅い守りを披露した。

 上島は9回二死から連打を浴びて一、二塁のピンチを招いたが、最後は代打の辻井 宏幸(3年)から三振を奪って1失点完投。「良いピッチングができて本当に嬉しかったです」と声を弾ませた。

「しんどいことにも音を上げず、淡々と努力する子。入学した当初はそんなに力がなかったですけど、どんどん力を付けてきてくれました。桜井高校を代表できるような人で、内面が凄く良い」と上島について語る木下監督。地道な努力の成果が大事な試合で出た形となった。

「先輩とできるだけ長く一緒に試合をして、上を目指して頑張っていきたいです」と今後の抱負を語った上島。頼もしい2年生がチームに勢いを付けている。