反対意見に“引き分けは日本の文化”…NPBが導入を検討する『タイブレーク』スポーツは勝ち負けを決めるものだ

AI要約

日本プロ野球の将来に関する検討課題として、ピッチクロック、セ・リーグの指名打者制、そして延長タイブレークが注目されている。

ピッチクロックやDH制に賛成意見が多く、タイブレーク導入にも賛成派が多い一方、引き分けを容認する文化的な考えもある。

投高打低の影響で延長戦が増えている中、タイブレーク導入の影響や継投の変化に興味が寄せられている。

反対意見に“引き分けは日本の文化”…NPBが導入を検討する『タイブレーク』スポーツは勝ち負けを決めるものだ

◇渋谷真コラム「龍の背に乗って」

◇9日 DeNA6x―5中日(横浜スタジアム)

 数年以内に日本プロ野球が導入もしくは検討するであろう改革は、ピッチクロック、セ・リーグの指名打者(DH)制、そして、延長タイブレークだ。世界の主要プロリーグで投手が打席に立っているのはセ・リーグだけ。投手が自ら援護する意外性より、おもしろみに欠ける打席が増えるのは否めない。

 僕の意見はというと、ピッチクロックは慎重派で、DH制は以前は「世界最後の非採用リーグだから、もう少し待ってみては」だったが、今では賛成に転じている。そして、タイブレークは一貫して賛成派。引き分けが好きではないからだ。

 榊原定征コミッショナーが「導入すべきかどうか、徹底的に審議するように」と指示した。検討課題となるのはメリットとデメリット。そして導入の目的が「引き分け削減」なのか「時短」なのか、あるいは「投手全体の負担の軽減」なのか。

 例えば降雨コールドの際だけでなく、延長無制限にしない限りはタイブレーク導入で引き分けがゼロになるわけではない。さらに反対意見として「引き分けは日本の文化である」というものがある。勝っていないが、負けてもいない。それもありという考えだ。実際、1982年の中日は19も引き分け。2位の巨人、3位の阪神より少ない64勝で優勝した。それを容認するのが、「日本の文化」というわけだ。

 投高打低の影響か、今季は延長戦が多い。中日は阪神に次いで多く3勝4敗6分け。タイブレークならどうだったのかと妄想する。いや、その前に継投が変わる。リリーフ陣のバント処理練習が増える。それ以外に、どう変わるかにも興味がある。最大4点差を追いつきながらのサヨナラ負け。せめて引き分けたかったとは思う。だが、その悔しさをグッと飲み込んで、白黒ついたことを受け入れよう。スポーツは勝ち負けを決めるものなのだ。