【阪神】「不運続きの男」7戦連続HQS才木浩人、またも白星つかず「できる範囲をしっかりやる」

AI要約

阪神才木浩人投手は2試合連続の逆転サヨナラ勝ちに喜び、粘り強さを見せた。

才木は7試合連続のハイクオリティースタートを続け、淡々と自分の仕事に徹している。

身体を完璧にコントロールし、トレーニングと映像研究により成績を上げている才木の姿勢に注目されている。

<阪神2-1ヤクルト>◇9日◇甲子園

 阪神才木浩人投手(25)はニコニコと笑っていた。ベンチ最前列で声を出し、味方の粘りを楽しむように応援した。2試合連続9回2死から逆転サヨナラ勝ちの奇跡に、思い切り喜びを分かち合った。

 「何とかとりあえず1点取ってくれと思っていました。しんどい試合やなあ~と思っていましたけど、四球からつないで、つないで攻撃してくれた。(自分の)負けを消してくれて良かったです」

 「奪首」ウイークの先陣。申し分ない働きだった。4回に1点先制されたが、ペースは落ちない。走者を出してからの投げミスがなく、要所を締めた。最後の7回2死三塁も代打青木を遊ゴロに打ち取った。

 初回にいきなり27球を投げさせられた。突然の通り雨にも見舞われ「今日はしんどいかな」という立ち上がりから、試合を作った。実に7試合連続のハイクオリティースタート(7回以上、自責点2以下)。日曜日から火曜日を任されて3試合目。なぜか援護がまるでなく白星がつかない不運が続く。「気にしていないです。自分のできる範囲をしっかりやるだけなので」。淡々と自分の仕事に徹する姿は「エース」と呼びたくなる風格だ。

 岡田監督も信頼のまなざしを向ける。「そんなに良くなかったけど、その割にね。あの1点はしょうがない。前回も勝ちがつかなかったし、ちょっとかわいそうですけど。ああいう投球をしていると、打線も点を取ってくれるでしょう」と我慢の投球を認めた。

 自分の体を完璧にコントロールしている。4キロほど増量して迎えた今季。「それだけ変わっている。今年はトレーニングとか、それに合わせていろいろ、やっていることも変わっている」。自らの映像を見ての研究を欠かさない。より重くなった体、長い手足を持て余さず、不調でも試合を壊さない対応力がある。

 「この調子でシーズン後半、まだ来週ありますけど、しっかりイニングも投げていきながらやっていけたら」。才木の粘投があってこそ、劇的なフィナーレが待っていた。最後も爽やかな笑顔で締めくくった。【柏原誠】