首位・愛媛FCU-18、FC今治U-18との「伊予決戦」は激闘の末ドロー!

AI要約

「高円宮杯JFAU-18サッカープリンスリーグ2024四国」の試合レポート。FC今治U-18と愛媛FCU-18の対戦を振り返る。

FC今治U-18が先制するも、愛媛FCU-18がすぐに同点。両チームが攻防を繰り広げる展開。

愛媛FCU-18は首位をキープしながらも、課題を抱えて次節に向け成長を目指す。

首位・愛媛FCU-18、FC今治U-18との「伊予決戦」は激闘の末ドロー!

 4月6日(土)に10チームが集い開幕を迎えた「高円宮杯JFAU-18サッカープリンスリーグ2024四国」もいよいよ前半戦折り返し。インターハイや全日本クラブユース選手権などにより約2か月近くの中断期間に入る7月6日(土)には愛媛県松山市の愛フィールド梅津寺において18時から、今季から池田祐樹監督を迎え8試合を終え3勝1分4敗・6位につけるFC今治U-18と、アウェイ扱いながらこの地をホームピッチとする首位・愛媛FCU-18による「U-18版・伊予決戦」が行われた。

 スタートフォーメーションはFC今治U-18が特に興味深い立ち位置を取った。よって愛媛FCU-18のスターティングイレブンから紹介すると、GKは1谷琉生(3年)。4バックは右から15瑞慶覧長汰(2年)、キャプテンの4大崎翔(3年)、すでにトップチーム2登録済で天皇杯2回戦ではベンチ入りも果たしている5島佑成(2年)、2赤松千翔(3年)。中盤はダブルボランチに6森実昊(2年)と7日野魁柊(3年)が入り、右サイドに18浦添朝仁(2年)、左サイドに17田中碧(2年)。2トップは16俵拓斗(2年)と20青木壱清(2年)が組んだ。

 ここまでの愛媛FCU-18はオーソドックスな4-4-2ながら、島の機を見た左サイドないし中央からのオーバーラップも交えながら、左からのサイド突破を強みにプリンス四国では開幕7連勝。前節の徳島ヴォルティスユース戦ではじめて引き分けたものの、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会四国大会では、FC今治U-18を2-0で破るなど3戦全勝で5年ぶり22度目の全国切符を勝ち取っている。

 そんな愛媛FCU-18に対しFC今治U-18は「相手を見て左右非対称を組んだ」(池田監督)ポジションで対抗した。 スターティングイレブンはGKは1山﨑琉煌(3年)。4バックは右から3村上桔平(3年)、4曾我暖(1年)、8平田武暉(3年)に、やや高い位置に11山中柊生(3年)、中盤は底にキャプテンの川井桃太郎(3年)が入り、その前の右が6片上泰尊(3年)、左が16森實飛翔(2年)。右のワイドに10永易昂樹(2年)、トップ下に15山木竜翔(2年)。ワントップに18ダボ・ディディ(2年)。右サイドに人を集め、まずは相手のストロングを消しにかかった。

 はたして試合は早々にFC今治U-18の策が功を奏する。9分、右サイドでボールを回収した彼らはポゼッションの後に10永易がギアを一気に上げる縦へ付けるパスを供給。これを半身で受けた16森實は反転しながら相手DFをかわしニアサイドを狙った強烈な右足シュート。これが見事に決まって「相手が集中しきる前に取る」チームコンセプトを完遂する形で今治U-18が先制を果たした。

 歓喜に沸くFC今治U-18ベンチ。しかし、その30秒後に歓喜は逆サイドに変わる。10分、愛媛FCU-18はキックオフからのボールを運び16俵が周囲の上りを待ってのラストパス。このボールを走りながら受けた20青木がPA左から左足を振り抜き同点ゴールをゲット。瞬時に流れを引き戻す。

 さらに勝ち越しゴールを狙いポゼッション率を高める愛媛FCU-18。が、ここで光ったのはFC今治U-18の賢さである。学業専念のため、この試合がチームラストマッチとなった6片上を7川井をはじめ周囲が献身的にサポート。後半に入ると18ダボの位置を右に張り出させるなど、ベンチも采配でピッチ上をアシストした。

 対する愛媛FCU-18は5島が終盤にオーバーラップを仕掛け、途中出場のFW34玉城千也(1年)も再三ドリブル突破を図るるなど攻勢を強めるも「みんなの動きがよくなかった」と4大﨑も悔いたように前半の6本に対し後半のシュートは3本のみ。最後は退場者も出してしまうなど終始リズムが合わなかった愛媛FCU-18は、激闘を演じたFC今治U-18からゴールを奪えぬままタイムアップの笛を聞いた。

 ただし、前半戦を終えて勝ち点を23まで積み上げた愛媛FCU-18は徳島市立に勝ち点1差で無敗のまま首位をキープ。「もう一度トレーニングからチーム全体で高めあいたい」と課題を明確に指摘しつつ自省したキャプテン大﨑をはじめ、日本クラブユース選手権を含めた夏に、どのような成長を示すかに注目したい。

 

(取材=編集部)