【セレクトセール】「ダノン」4頭12億円 ダービー初V野田オーナー、ベルーガ半弟3・9億円

AI要約

ダービーオーナーがセリで大金を投じる。今年もセレクトセール2024が開催され、初日に"ダノン"のオーナーが目立つ成績を収める。

野田順弘オーナーがダノンベルーガの半弟などを含む4頭を12億円で落札。ダービーを制したダノックス軍団が再び頂点を目指す。

セリでの取引額が高騰し、特にエピファネイア産駒に注目が集まる。購入理由や将来展望についても言及されている。

<セレクトセール2024>◇初日◇1歳馬セッション◇8日◇北海道・苫小牧市ノーザンホースパーク

 ダービーオーナーが今年もセリの顔だ。国内最大の競走馬セリ「セレクトセール2024」が8日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。初日の1歳セリでは“ダノン”の冠名で知られる野田順弘(まさひろ)オーナー(名義は(株)ダノックス)がダノンベルーガの半弟コーステッドの23(牡、父エピファネイア)など落札4頭で12億円の巨額を投じた。今年のダービーをダノンデサイルで制したダノックス軍団は2度目、3度目と頂点を狙うラインアップを整えた。(金額はすべて税抜き)

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 小さい動きに強い意思がこもる。野田オーナーがうなずくと、セリ人が直ちに反応をする。上場番号51、コーステッドの23とまたダービーを…。7000万円スタートのセリは40秒足らずで2億円を突破。争奪戦になろうが、引く気はなかった。最後は2倍近くの3億9000万円で、ハンマーの乾いた音が響いた。

 思い入れのある血統馬だ。半兄はダノンベルーガ。兄は19年の当歳部門で1億6000万円で落札されていた。22年ダービーで1番人気(4着)の支持を受けた逸材。当時の出来の良さ、前評判の高さを知っているからこそ、弟への所有欲が増した。岡田良樹ディレクターは「この時期のベルーガを見ていますが、その馬と引けを取らないという評価でした。オーナーもいくぞ、という感じでした」と入魂の理由を説明した。エピファネイア産駒は上場12頭のうち4頭が3億円超え。この日のトップ額となる産駒を、堂々たる立ち回りで手に入れた。

 味を知れば、また欲しくなる。野田オーナーは今年、ダノンデサイルでダービーを初制覇。毎年のように巨額を投じ、ついに夢をかなえた。岡田ディレクターは「ダービーを取ってから、我々も影響はすごいと感じています」とオーナーの思いを代弁した。

 セリ初日は同じエピファネイア産駒のコンペティションオブアイデアズの23(牡)を3億3000万円で落札するなど、4頭で合計12億円を投資。アスコルティの23(牝、父キタサンブラック)は1歳牝馬歴代最高額の4億円を記録した。20年越しのダービー制覇で勢いは落ち着くどころか、魅了されたかのように評判馬を買いそろえた。結果的にトップバイヤーとして初日を終了。セリの顔として、今年も大きなインパクトを残した。【松田直樹】