レッドラディエンス重賞初挑戦初制覇 戸崎「最後は仕掛けだけ」極上瞬発力引き出した/七夕賞

AI要約

友道厩舎の新星、レッドラディエンスが七夕賞で重賞初挑戦初制覇を果たす

戸崎圭太騎手が4勝目を挙げ、自身の誕生日を前祝い

藤沢和厩舎から友道厩舎へ移籍し、成長を待ち望んでいた期待の5歳馬

レッドラディエンス重賞初挑戦初制覇 戸崎「最後は仕掛けだけ」極上瞬発力引き出した/七夕賞

<七夕賞>◇7日=福島◇G3◇芝2000メートル◇3歳上◇出走15頭

 七夕デーに願いがかなった。2番人気のレッドラディエンス(牡5、友道)が重賞初挑戦初制覇を果たした。勝ちタイムは1分57秒9。

 鞍上の戸崎圭太騎手(44)は歴代トップタイとなる4勝目。会心の勝利で8日に迎える自身の誕生日を前祝いした。ダービー馬ドウデュースなどを擁する名門友道厩舎から新たなスター候補が誕生した。

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 赤地に白い星をちりばめた勝負服が大外から豪快に突き抜けた瞬間、熱気を帯びた場内のボルテージが最高潮に達した。道中は普段より後ろから。レッドラディエンスの戸崎騎手は前半1000メートル通過57秒3のハイペースを深追いせず、追い出しのタイミングに全神経を注いだ。「ポジションを取れる馬ですが、行く馬もいたしペースが速くなると思いこの馬のリズムで走らせました。リズム良く行けたし最後は僕の仕掛け(タイミング)だけだと思っていました。充実した内容。強かったです」。冷静に勝負どころを見極め、重賞初挑戦のパートナーから極上の瞬発力を引き出した。

 七夕賞はこれで岡部幸雄元騎手と並ぶ歴代トップタイの4勝目。翌日に控える44歳の誕生日を自ら前祝いし、“七夕男”ぶりを発揮した。「応援していただいた皆さんの願いをかなえることができてうれしいです。けがなく1つ1つ大切に乗って勝ち星を積み上げたいと思っています」と43歳最後の日に決意を新たにした。

 ラディエンスは美浦の藤沢和厩舎でデビュー。22年2月末の定年解散後、栗東に移り友道厩舎所属となった。バトンを受け継いだ友道師は、大事に大事に成長を促しながら素質開花の時を待った。そして5歳夏でこぎつけた初重賞で即V。「うちに来た時から重賞でもと思っていた。結果が出て本当に良かった」と初タイトルを喜んだ。東西の名門厩舎で育てられた遅咲きの新星は、次走新潟記念(G3、芝2000メートル、9月1日)で夏の中距離王の座を狙う。【井上力心】