男子110mハードルの村竹ラシッドが快記録でパリ五輪代表入り 3年前のフライング失格からの「解放」と日本人初12秒台への期待【日本選手権4日目】

AI要約

村竹ラシッドが男子110mハードルで13秒07のタイムで優勝し、パリ五輪代表に内定した。

村竹は自身の成長を示すレースで、今季世界6位のタイムを記録した。

レースでは、3台目以降で圧倒的な強さを見せ、結果を受けても記録には不満を示している。

男子110mハードルの村竹ラシッドが快記録でパリ五輪代表入り 3年前のフライング失格からの「解放」と日本人初12秒台への期待【日本選手権4日目】

村竹ラシッド(22、JAL)が世界レベルの記録を出してパリ五輪代表を決めた。陸上競技の日本選手権4日目(6月30日)。男子110mハードルに出場した村竹は13秒07と、自身と泉谷駿介(24、住友電工)の2人が持つ13秒04の日本記録に迫るタイムで優勝し、パリ五輪代表に内定した。13秒07は今季世界6位のタイム。昨年の世界陸上5位入賞の泉谷とともに、日本人初の五輪決勝進出が期待できる力があることを改めて示した。

村竹は3年前の日本選手権で、予選で13秒28を出して東京五輪標準記録を突破しながら、決勝でフライング失格している。その後も成長を見せていたが、村竹自身が「やっと解放された」と感じられたレースだった。

■3台目以降で圧倒的な強さ

レースは圧勝だった。

スタートこそ左隣の髙山峻野(29、ゼンリン)と、右隣の野本周成(28、愛媛競技力本部)に僅かに先行された。髙山はRoad to Paris 2024(標準記録突破者と世界ランキング上位者を1国3人でカウントした世界陸連作成のリスト)で安全圏に位置し、野本は標準記録突破者。すでに泉谷が代表に内定しているため、残りの代表枠は2人。3位になったら五輪代表を逃すことになる。

「両隣がスタートの速い選手で、前に出られることはわかっていたので、その前提でレースを進めようと思っていました。3台目から加速していこう、というスタンスでした」

3台目で並ぶと4台目、5台目とじわり、じわりと前に出た。6台目以降は差を広げる一方だった。村竹がフィニッシュするとタイマーは13秒08で止まった。正式記録は13秒07。日本記録と大会記録は泉谷が昨年出した13秒04で、その更新はできなかったが、雨のコンディションを考えれば高く評価できる。

「正直、記録に関して特にうれしさはありません。スタートは(自分としては)勢いよく出られたのですが、1台目を思い切り当ててしまいました。スピード感は良かったのですが、ハードルを越える部分では何台も当ててしまって、加速の伸びを欠いてしまいました。準決勝(13秒14)のようにスムーズにハードルを越えることができたら、もっと良い記録が出たんじゃないかと思います」