男子走幅跳の橋岡優輝が優勝でパリ五輪内定も内容に不満 五輪本番まで「忙しい1か月になる」【日本選手権3日目】

AI要約

男子走幅跳の橋岡優輝が日本選手権で優勝し、2大会連続五輪代表に内定。しかし本人は自己評価が低く、内容に不満を抱えていた。

橋岡はコーチとの取り組みを通じて成績を伸ばしてきたが、調子を崩し振り返るときもあった。日本選手権でも前半の試技が良くないと感じ、改善を急いでいた。

橋岡の最終結果こそが重要であり、過去の苦しい時期を乗り越えて目指すパリ五輪でのメダル獲得に向け、さらなる克服が必要と課題を挙げた。

男子走幅跳の橋岡優輝が優勝でパリ五輪内定も内容に不満 五輪本番まで「忙しい1か月になる」【日本選手権3日目】

男子走幅跳の橋岡優輝(25、富士通)が6月29日の陸上競技日本選手権(新潟)に7m95(追い風2.4mで参考記録)で優勝。すでにパリ五輪参加標準記録の8m27を突破していたため、2大会連続となる五輪代表に内定した。2位の津波響樹(26、大塚製薬)は7m90だった。記録もそうだが、橋岡自身は「内容がひどかった」と反省する。パリ五輪でメダルを目指す橋岡にとって課題が山積みだが、最後の1本で良い兆しも見えた。

■前半3回は「別人」というほど本人は不満

3回目までの試技は7m87、7m95、7m83。8mに届かなかったが、踏切板から前に出てしまうファウルにはならず、安定した助走ができていたように見えた。だが実際には、橋岡がやりたい跳躍ができていなかった。「今の僕からしたら本当に別人。足も遅かった。ジョグしているな、というくらいの感覚でした」4回目以降の後半3回は、7m54、7m60、ファウルと記録はさらに下がった。後半3回の試技内容については後述するが、「日本選手権ではある程度良い感覚を得ておきたい」と、5月に話していた部分はやりとげることができなかった。

橋岡は22年のシーズン後に、同学年のサニブラウン・アブデル・ハキーム(25、東レ)もトレーニングを行うタンブルウィードTCで、短距離を中心に幅広い種目の指導ができるレイナ・レイダー氏のコーチを受け始めた。「ジョグ」という言葉は、レイダー氏が橋岡の助走を見て言った言葉だった。

23年はスピードアップした助走を踏み切りにつなげることができず、橋岡としては低迷した。世界陸上ブダペスト代表にはなったが、世界大会で初めて予選落ち。「ブダペストには行ったんですが、試合には出ていません」

しかし今季は3月に8m28(今季世界8位記録)と標準記録を突破。5月の木南記念とゴールデングランプリ(以下GGP)でも、ファウルながら良い感触の試技はできた。だがイタリア合宿中のタンブルウィードTCチームと合流後に、「ケガとは言えませんが、体のバランスを崩したりして上手く練習を積めなくて、それを引きずってしまいました」という状態に。日本選手権は「自分自身の調子、コンディションも良くなかったのもありますが、前半が良くなさすぎて、自分でも言葉を失うほどでした」という内容だった。