【陸上・女子1500メートル】田中希実、大会直前のケニア合宿で手応え ”3分台の壁”に「少しは薄くなったかな」

AI要約

田中希実が日本選手権で女子1500メートルで大会新記録を樹立し、5連覇を達成。パリ五輪代表内定済みの5000メートルに続き、2種目の代表切符を獲得。

田中はケニア合宿の成果を活かして自力での五輪代表入りを果たし、3分台の壁に挑戦する意欲を見せている。

今大会は3種目にエントリーし、最大5レースをこなす挑戦をしており、後半の2日間に期待が寄せられている。

【陸上・女子1500メートル】田中希実、大会直前のケニア合宿で手応え ”3分台の壁”に「少しは薄くなったかな」

◇28日 陸上 日本選手権第2日(新潟市・デンカビッグスワンスタジアム)

 パリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、女子1500メートル決勝で田中希実(ニューバランス)が4分1秒44の大会新記録で5連覇を達成。パリ五輪参加標準記録の4分2秒50を突破し、すでに代表内定済みの5000メートルに続き2種目の代表切符をつかんだ。

 自力でのパリ五輪代表入りを決めた田中はペースメーカーのヘレン・エカラレ(豊田自動織機)と笑顔で抱き合った。昨年の世界選手権で入賞した5000メートルでは既に参加標準記録を突破しており、五輪代表に内定。2枚目のパリ切符も規定の期限内に4分2秒50の参加標準記録を切って獲得して、「ちゃんと堂々と五輪に乗り込めるので、自分の中でアドバンテージになる」とうなずいた。

 ”ケニアパワー”を味方につけた。今大会の直前にケニア合宿を経験し「直近まで一緒に練習したり、バチバチのケニア人同士のレースを見たりして、ケニアで経験したことをこの大会でもできるのが楽しみだった」と明かす。2021年東京五輪では3分59秒19の日本新記録をマークし、日本人初の8位入賞を果たした。その後は”3分台の壁”を超えられずにいたが、「少し3分台までの壁は薄くなったかな」と手応えをつかんだ。

 今大会は800メートルと5000メートルにもエントリー。2年ぶりの3種目挑戦で、4日間で最大5レースを走る。「1500メートルで終わりという選手もいて、私も今日で終わりぐらいの気持ちで走った。明日もまだあるのが不思議な感じだったり、怖い気持ちもあり、楽しみな気持ちも…。なんかそれがすごく幸せ」。田中らしく哲学的な言葉を織り交ぜて、後半の2日間に目を向けた。