米ヤクルト社長が思う大谷翔平が米国で愛される理由 「アジア系だろうが声援をくれる」

AI要約

ヤクルトはエンゼルスとのスポンサー契約を続けながら、今季からドジャースとも契約を結び、全米で製品販売を展開している。社長は大谷翔平の活躍を通じて全米スポーツの多様性と大谷の偉大さを感じた。

大谷が日本人選手としてもアジア系選手としてもアメリカで愛される理由と、スポーツが人種や差別を超えてファンを魅了する力について述べられている。

ヤクルトはスポーツ振興を重視し、マラソンなど他競技のスポンサー活動も考えている。大谷やドジャースと共にスポーツの可能性を広げる展望が示されている。

米ヤクルト社長が思う大谷翔平が米国で愛される理由 「アジア系だろうが声援をくれる」

 今季から米大リーグ・ドジャースとスポンサー契約を締結した乳酸菌飲料などを手がける大手メーカー「ヤクルト」。2008年からエンゼルスとスポンサー契約を結び、2018年に大谷翔平投手が入団した時から始まった縁はドジャースでも続くこととなった。最終回となる第6回は、今回の契約で改めて知った大谷の偉大さについて。現地法人・アメリカヤクルト株式会社の三角豊代表取締役社長兼CEOが感じた“大谷が愛される理由”と、米国スポーツの懐の深さについて語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・瀬谷 宏)

 ヤクルトはエンゼルスのスポンサーを務めていた時に大谷が入団し、エンゼルスとの契約を続けたまま、今季ドジャースとも契約した。西海岸でスタートさせた事業は好調で、今や全米で製品販売に至っている。三角社長は他球団からの“オファー”も認めたうえで、スポーツ振興の観点から2球団と「長くお付き合いしたい」というスタンスをとっている。

 エンゼルス時代から大谷の活躍を見守ってきた三角社長は、MLBだけでなく全米スポーツにおける大谷の偉大さを改めて感じたという。

「大谷選手を見てよくわかったのですが、人種のるつぼと言われるアメリカではいろいろな選手がいろいろなスポーツをやっています。その中でアメリカ人は、大活躍する選手は日本人だろうがアジア系であろうが声援を送り、どんな選手でもスーパースターになれる。

 もちろん、人種差別はまだあるかもしれません。ですが、スポーツはそういうものを全て取っ払ってくれる。ファンは純粋に勝った、負けたで一喜一憂する。そういう意味でスポーツに力を入れていくというのは、会社として悪い選択肢じゃないと思っています」

 ルーキーだった2018年から活躍してきた大谷は、今やMLB全体の顔ともいえる存在。今年は手術した右肘のリハビリもあって打者に専念しているが、二刀流での活躍はに革命を起こした。野球に限らず、スポーツに無限の可能性を感じる三角社長はスポンサー活動の幅を広げる考えも示す。

「スポーツ振興という点では、我々はマラソンのスポンサーも結構やっていまして、途中でランナーに飲んでいただいたり、前日にゼッケンを渡す際にお配りしたりしています。他競技からもお声がけいただいていまして、サッカ ーやアイスホッケ ーといったところには将来的には少しずつ考えていってもいいのかなと思っています」

 エンゼルスとスポンサー契約を結び、MLBと本格的に関わるようになってから16年目を迎えたヤクルト。スーパースターの大谷、屈指の人気球団ドジャースとともに歩むスポーツ振興の未来は大きく広がっている。