「町田はブラジル1部でも中位以上」ブラジル人記者がホンネで語る“黒田ゼルビア”「ただ娯楽性に乏しいと…厳しい批判はブラジルでも」

AI要約

 町田ゼルビアのプレースタイルは、アジアの韓国と南米のアルゼンチンに似ており、フィジカル能力と勝利への強いこだわりが特徴だ。

 町田は昇格してから優勝争いに加わる珍しい例であり、その快進撃は終盤まで続くとの見方がある。

 他の優勝候補としては、鹿島アントラーズ、ヴィッセル神戸、ガンバ大阪などが挙げられ、各チームの特徴や課題が指摘されている。

「町田はブラジル1部でも中位以上」ブラジル人記者がホンネで語る“黒田ゼルビア”「ただ娯楽性に乏しいと…厳しい批判はブラジルでも」

 日本では、Jリーグにおける町田ゼルビアのプレースタイルの特異性が論じられることが多い。天皇杯・筑波大学戦での負傷者離脱や、黒田剛監督の会見での発言についてが大きく報じられているが――世界的には、町田のプレースタイルはどのように受け止められるのだろうか。3~6月にかけて日本を訪れたブラジル人のチアゴ・ボンテンポ記者に引き続き話を聞いた。(全2回の第2回/第1回も配信中)

――日本で町田のスタイルが異質なのは確かですが、どこの国のスタイルと似ていると思いますか。

「フィジカル能力と球際の強さを前面に押し出すところが、アジアでは韓国と似ている。韓国人選手が3人(CFオ・セフン、MFナ・サンホ、CBチャン・ミンギュ)いるのも、象徴的だね。一方、勝利への強いこだわりは、南米ではアルゼンチンを思わせる。もちろん、アルゼンチン選手は高度なテクニックと豊かな創造性を備えているわけだけどね」

――世界のどのリーグでも、2部から1部へ初昇格した場合はもちろん、2部から昇格したばかりのチームが1部で優勝争いに加わること自体が珍しい。

「今年の町田に近い例として挙げられるのは、レスター・シティだろう。2013-14シーズンにイングランド2部で優勝してプレミアリーグに昇格し(注:クラブ史上2度目の昇格)、岡崎慎司が加入した2015-16シーズンに優勝してミラクルと言われたよね。

 ブラジルでも、ビッグクラブとその他のクラブではかなりの戦力差がある。似た例は、99年に1部に初昇格し、01年に準優勝して02年のコパ・リベルタドーレス(注:南米最強クラブを争う大会)でも準優勝したサンカエターノかな。ただし、その後、降格を繰り返し、現在では4部にすら参加していないけどね」

――今後、町田の快進撃はどこまで続くと思いますか? 

「急に順位を落とすとは考えにくい。多少の波はあるだろうけれど、終盤戦まで優勝争いをしても不思議ではないと思っている」

――町田以外の優勝候補は? 

「鹿島アントラーズ、ヴィッセル神戸、ガンバ大阪。鹿島は、攻撃陣は鈴木優磨が牽引するけれど、守備陣の選手層が薄いのが気になる。神戸は、昨年同様、高い強度を発揮している。ただ、エースの大迫勇也がさすがに昨年ほどのプレーができていない。他の選手がどこまで補えるか。ガンバは、昨年に比べて守備が大幅に改善されたし、エースの宇佐美貴史が絶好調。今年前半戦のMVPとも言える存在だ。アジア・チャンピオンズリーグで勝ち上がったことでそちらを優先してきた横浜F・マリノスが今後、どこまで順位を上げてくるかも見所だ」