「まだウクライナで戦争が続いていることを世界中に思い出して欲しい」EURO2024の持つ“意味”とは…

AI要約

ウクライナ代表MFヘオルヒー・スダコフが、家族やファンの支えに支えられながらEURO2024出場を果たすために戦う姿を語った。

戦場と化した母国ウクライナ代表チームが安全面の問題からホームで予選を戦えず、プレーオフ経由で出場権を獲得した経緯や、スダコフが家族の危機に直面しながらもプロとしての使命感を実感し、夢に向かって進む姿を描いている。

将来はビッグリーグでプレーすることを目指すスダコフは、EURO2024を自らの才能を証明する可能性にかけて燃えており、グループEでの試合に臨む決意を示している。

「まだウクライナで戦争が続いていることを世界中に思い出して欲しい」EURO2024の持つ“意味”とは…

ウクライナ代表MFヘオルヒー・スダコフが『GOAL』の独占インタビューに応じ、EURO2024にかける想いを語った。

2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻。確認できただけでも民間人を含めてすでに10万人以上の命が犠牲になったと伝えられる中、未だ終わりの見えない戦争が続いている。侵攻が始まった当時は19歳だったスダコフ。「本当に怖かったよ。でも、妻と娘が僕を頼りにしているのはわかっていた」とし、以下に続けた。

「家族のサポートは一番大切なもので、信頼やインスピレーションの源だ。僕がやることはすべて家族のためであり、家族のお陰で今がある。だから家族全員をキーウから連れ出すことに決めたんだ。数日後にリヴィウに到着し、妻と一緒にボランティア活動を始めたよ」

母国が突如として戦場と化したウクライナ代表チームは、安全面の問題からホームでEURO2024予選を戦うことができなかった。スダコフは「もちろん、心理的な面で辛かったよ」と回想。「でも、どこにいたってファンの応援を感じることができる。僕らのファンはどこにでもいるんだ」と語っている。その声援の力もあって、ウクライナ代表はプレーオフ経由でEURO2024出場権を獲得した。

スダコフが代表活動中にも妻と娘がロシア軍の脅威にさらされ、サイレンが鳴り響く中でバスルームに隠れていることをメッセージで知らされる朝もあった。そういった状況でどうやってサッカーに集中していたのだろうか? 21歳MFは語る。

「第一に、僕はプロなんだ。そして、EUROに出場するのは子供の頃からの夢だった。さらに言うと、僕と家族の未来はこの大会にかかっている。とにかく(本大会の)出場権を獲得しなきゃならなかった」

ウクライナの名門シャフタール・ドネツクの育成組織から18歳でトップチームデビューを飾り、これまで公式戦100試合以上に出場してきたスダコフ。すぐさまウクライナ代表デビューも果たした司令塔の市場価値は4000万ユーロ(約67億円)以上とみられており、チェルシーやアーセナル、リヴァプールといったメガクラブも注目していると伝えられる。このEURO2024の活躍で、ステップアップも有力視されている逸材だ。

本人も「あまり先のことは考えたくない。でも、ヨーロッパのビッグリーグでプレーする準備はできているよ。ウクライナでそれを証明したし、(昨年のU-21 EURO得点王になったことで)U-21レベルでも証明した。残った唯一の目標は、EURO2024でそれを証明することだよ」とビッグクラブ挑戦への意欲を隠さない。グループEではルーマニア(17日)、スロバキア(21日)、ベルギー(26日)との対戦を控えているが、自身の実力を証明したいと燃えている。