【陸上】 「ファウル覚悟で思い切り」砲丸投・杉本紘一朗が16m17で圧倒 女子三段跳は橋本詩音が12m62w/IH東海

AI要約

福岡インターハイを懸けた東海地区大会の3日目が行われ、男子砲丸投の杉本紘一朗が自己記録を更新して優勝。女子三段跳や男子やり投などでも活躍が見られた。

杉本は怪我に悩まされながらも、16m17の投てきで自己ベストを更新。インターハイでも優勝を目指す意気込みを見せている。

他の競技では橋本詩音や鈴木凰士朗らが好成績を収め、学校対抗では中京大中京が連覇を果たした。

【陸上】 「ファウル覚悟で思い切り」砲丸投・杉本紘一朗が16m17で圧倒 女子三段跳は橋本詩音が12m62w/IH東海

◇インターハイ東海地区大会(6月14~16日/岐阜・岐阜メモリアルセンター長良川競技場)3日目

福岡インターハイを懸けた東海地区大会の3日目が行われ、男子砲丸投の杉本紘一朗(藤枝明誠3静岡)が5回目に自己記録を19cm更新する16m17をプットして優勝を飾った。前日の円盤投でも5位に入り、2種目でインターハイ行きを決めている。

「1投目で15m超えを狙っていたので、まだ課題の残る試合内容でしたが、去年10月以来のベストが出たのと、16mを出せたので嬉しいです」と満面の笑みがこぼれた。

1回目の14m85でトップに立つと、3回目の15m42でライバルたちを引き離し、5回目の好記録につなげた。

「1月下旬に腰を骨折して腰椎分離症と診断されてから半年も経っていませんが、秋に15m98を出してから、早く16mを投げたいと思いながら、なかなか出せませんでした。プレッシャーもあってずっと苦しみながらも、インターハイ前に出せたので自信になります」

16m17の投てきについては、「ファウル覚悟で思い切り突き出したので、砲丸が飛んでくれた。15m80~90ぐらいかなと思ったら案外飛んでくれていたのでホッとしました」と、安堵感も漂った。

実は前日の円盤投で、また腰を痛めていた。ただ、「昨年は東海大会で8位に終わり、学校に帰った時、みんなに合わせる顔がなかった。今年は優勝以外はいらないし、優勝できなかったら帰るつもりはないという気持ちでした」と、勝つことだけを心に決めてこの日を迎えていた。この1年で、「勝ちへの貪欲さと投げの技術、筋力や安定感が向上した」と感じている。

清水飯田中時代は、陸上と並行して相撲もやっており、全中に出場するなど活躍した。短距離選手だった父や、円盤投で東海大会優勝の実績がある母・友紀乃さんの影響で高校から本格的に陸上競技を始めたが、相撲の経験は自身の投てきにもに生きているという。

「僕は押し相撲でしたが、押しがすごく強くて、先生によく褒められていました。その部分が砲丸をつく瞬間に生きていますし、相撲は体幹が大事なので、回転の中で体幹を保つ面でも今に生きているなと思っています」

インターハイでは、「いろいろな地区に強い選手がいますが、優勝しか狙ってないので、自己ベストを出して優勝します。県高校記録(17m30)をしっかり越して、18mも投げて、高校生活を良いものにして締めくくりたいです」

杉本が砲丸を投げる際、右手を高く掲げてニコリと笑うルーティンがある。「僕は競技を無我夢中に楽しんでいる奴が1番強いと思っているので、本当に楽しもうという気持ちで臨んでいます」。福岡の舞台でも、杉本は最高の笑顔とともに勝ちに行く。

このほか、女子三段跳では橋本詩音(静岡雙葉3静岡)が追い風参考ながら、大会記録を上回る12m62(+2.2)で圧勝。男子やり投は鈴木凰士朗(市岐阜商3岐阜)が63m11で1位で優勝を果たした。松月秀斗(伊勢学園3三重)が63m02で2位となり、3位の増田央介(掛川西3静岡)が62m34と上位3人が62m以上を投げた。

トラックでは女子200mで100m2位の佐野釉梨(静岡市立3静岡)が24秒32(-2.2)でトップとなり、1年生の布施一葉(中京大中京1愛知)が24秒40で2位と健闘した。100mチャンピオンの小針陽葉(富士市立3静岡)は24秒50の3位だった。

女子3000mは大谷芽以(浜松市立2静岡)が9分29秒77で快勝。4×400mリレーは男子が皇學館(三重)が3分12秒68、女子は豊橋南(愛知)が3分43秒70でそれぞれセイしている。

学校対抗は男女ともに中京大中京(愛知)が連覇を果たした。

全国インターハイは7月28日から8月1日に福岡・博多の森陸上競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。