日本代表、前年覇者の飯島早織 キャディは意外な“馬場さん” 

AI要約

昨年の女王・飯島早織はパッティングが決まらず、バーディなしのラウンドを終え、連覇への厳しいスタートを切る。

飯島は優勝を意識しながらも、自分のゴルフをする成長過程を費やし、キャディには馬場咲希の父が担当するなど、意外な面も見せる。

ファッションも取り入れ、自分らしさを大切にしながら、残りの3日で進化と連覇を目指して戦い続ける飯島。

日本代表、前年覇者の飯島早織 キャディは意外な“馬場さん” 

<日本女子アマチュアゴルフ選手権 初日◇11日◇我孫子ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6679ヤード・パー72>

昨年の女王・飯島早織は「73」と苦しみ、1オーバーの57位タイと出遅れた。ショットは好調で「3メートル以内が10個、5メートル以内なら13個はありました」とチャンスは量産したが、パッティングが決まらず、バーディなしのラウンド。首位とは7打差の厳しい滑り出しとなったが、まだ初日が終わったばかり。飯島は変わらず2011、12年の比嘉真美子以来となる連覇を狙っていく。

「優勝は意識せず、自分のプレーをしたい」。プロアマ問わず、多くの選手が口にするフレーズだが、今大会の飯島は大いに連覇を意識して臨んでいる。「私も優勝を意識しないスタイルで昨年は優勝したんですけど、最終ホールはダブルボギー。日本ジュニアも上がり3ホールで3つ落としました(結果は4打差の2位)。優勝したいと意識した瞬間に自分のゴルフができなくなってしまうんです」。昨年、不合格となったプロテスト再挑戦に向けてもこれが大きな課題。だからこそ、今年は意識を変えたわけだ。

しかし、初日はこれが空回り。「チャンスにつけても入らなくて、入らないからどんどん意識してしまって、自分のストロークができず、思ったところに打てなくなってしまいました」。飯島はこの日のラウンドを「悔いしかない」と表現したが、優勝あるいはプロテスト合格を意識しながらも、自分のゴルフをするという大きな成長のために費やした一日と考えるしかないだろう。

飯島のキャディは意外な人物が務めている。同い年で今季は米国女子下部のエプソンツアーで戦っている馬場咲希の父・哲也さんだ。「咲希ちゃんがアメリカに行って『暇だからゴルフしよう』と連絡が来たので『じゃあキャディをしてよ』って、そんなノリでこうなりました。昨年はゴルフを知らない母がキャディでしたし、私はあまりアドバイスを求めていないので、話していて楽しい人がいいんです」。一方の哲也さんは「私が早織ちゃんのファンだからやらせてもらってます」と説明。急造コンビの相性はなかなか良さそうだ。

もうひとつ意外なのは他の代表選手と違って、ナショナルチームのユニホームを着用していないこと。「ユニホームはカッコいいんですけど、私はかわいいのも着たいし、その日の気分や髪色に合わせてウェアを選びたい。みんなはおそろいなので、申し訳ないって思ってます」。次世代のおしゃれ番長は、独自路線でファッションを楽しんでいる。

より貴重な経験を積むためにも、今年も優勝争いに絡んでいく必要がある。「プレッシャーを感じる位置に行って、そこでどんなプレーができるか、達成できれば自信になると思うので、どんどん自分に圧をかけて、明日はスコアを伸ばしていきたいです」。残り3日、飯島は進化と連覇を目指して戦い抜く。(文・田中宏治)