大里桃子、涙の復活V「3年ぶりの優勝…夢みたい」不振に苦しんだ昨季「ゴルフ辞めようかなと」

AI要約

大里桃子が涙の復活優勝を果たす。昨年の苦しみから立ち直り、3年ぶりの優勝を達成。全英女子オープンへの出場権も獲得。

苦しんだ昨年の経験から立て直し、ショット改善で復活。母との感動の抱擁、優勝スピーチで喜びを語る。

プロテスト合格からわずか23日後の初優勝、そして最短記録での3度目のV。今後の目標としてさらなる活躍を誓う。

大里桃子、涙の復活V「3年ぶりの優勝…夢みたい」不振に苦しんだ昨季「ゴルフ辞めようかなと」

<国内女子ゴルフツアー:宮里藍サントリー・レディース>◇最終日◇9日◇兵庫・六甲国際GC(6526ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝2700万円)

 「黄金世代」の1人、大里桃子(25=伊藤園)が涙の復活優勝を飾った。1打差2位から6バーディーを奪う猛チャージで67。通算12アンダー276で優勝した。大里の優勝は21年5月以来、3年ぶり4勝目。シード権を失う昨季の不調から鮮やかによみがえった。2打差の2位に山下美夢有(22)。吉本ひかる(25)と内田ことこ(21)が3位に入った。大里と吉本は全英女子オープン(8月22日~25日、英国セントアンドリュース)に初めて挑む。

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 緊張感、重圧、苦しみ。さまざまな感情から解放された大里は、母美弥さん(55)と抱き合い涙した。優勝スピーチでは「3年ぶりの優勝…夢みたいです。こんなに早く昨年の不振から復活できて、自分でもびっくりしている。自信を取り戻せた」と声を震わせた。

 昨年の苦しみがあって優勝に導かれた。不振にあえいでシード権を失った昨季。「1年間、ショットに悩んでゴルフを辞めようかなと、つぶやいたこともあった。何をやってもうまくいかず、ネガティブばかりでした」と振り返る。

 気持ちを入れ替えた。「シード落ちして吹っ切れた。守るものはないと捉えることができた」。ショットをドローからフェードに変えて光明が見えたという。「体の状態からスイングをもう1回やり直した。オフにやってきたことが実を結んだ。苦しんだけどあきらめなくてよかった」と笑顔を見せた。

 母美弥さんによると相撲への興味は薄いが、自身の名前としこ名が近い大相撲夏場所の大の里の優勝を喜んだという。「勝手に親近感がわきました」と自身のSNSに投稿。大の里は所要7場所の史上最速、大里も初優勝はプロテスト合格から23日後の最短記録という“つながり”もある。昨年を苦しみ抜いたから「今年は楽しもうと、テーマをたてて臨んだ」。大の里の快挙もプラスに捉え、楽しむことができた。

 全英女子オープンの出場権を得た。初の海外メジャー挑戦。「まずはパスポート。切れてるんで」と笑わせて、仲のいい同学年の渋野日向子との再開を「いろいろ教えてもらいたい」と楽しみにした。

 最初の優勝は「がむしゃら」、2度目の優勝は「一番泣いた」。苦しみを自ら乗り越えてつかんだ3度目のV。「4勝目、5勝目できるよう頑張りたい」。活躍が際立つ“黄金世代”の1人が失いかけていた輝きを取り戻した。【実藤健一】

 ◆大里桃子(おおさと・ももこ) 1998年(平10)8月10日、熊本県玉名郡南関町生まれ。8歳からゴルフを始める。熊本国府高から18年7月にプロテスト合格。同年8月のCATレディースで初優勝。21年5月のほけんの窓口レディースでの2勝目から不振に陥っていた。身長171センチ。