巨人投手陣、四球連発で止まらぬ負の連鎖…西舘勇陽やバルドナードに疲れ蓄積か

AI要約

楽天が九回に逆転サヨナラ勝ちを収めた。小郷の2点二塁打が決勝点となった。津留崎が4年ぶりのプロ2勝目を挙げ、巨人は救援陣の踏ん張りが効かず4連敗となった。

攻撃陣が今季初の3本塁打を放ち、明るいムードに包まれる巨人だったが、救援陣の連続四球が流れを変える要因となった。

阿部監督ら首脳陣は「無駄な四球の削減」に注力してきたが、最終局面で6与四球を喫するなど課題が浮き彫りとなった。

 楽天7―6巨人(交流戦=11日)――楽天が九回に逆転サヨナラ勝ち。押し出し四球で1点差に迫り、小郷の2点二塁打で決めた。津留崎が4年ぶりのプロ2勝目。巨人は救援陣が踏ん張れず4連敗。

 前カードで沈黙していた攻撃陣が、今季初の1試合3本塁打。巨人ベンチは久々に明るいムードに包まれていた。しかし、これまで数々の窮地で踏ん張ってきた救援陣が、終盤に交流戦首位の楽天打線にのみ込まれた。流れを失うきっかけとなったのは、やはり四球だった。

 4点リードの八回。2番手の西舘勇陽(中大)が先頭打者に安打を許し、続く浅村に2ランを浴びた。代打・茂木に四球を与えたところで降板。救援した左腕の高梨も連続四球などで二死満塁としたが、何とか踏みとどまった。

 だが、負の連鎖は止まらない。九回、抑えのバルドナードもカウントを崩して先頭打者に安打を許し、一死後から連続四球で満塁。代打・阿部には、1球もストライクが入らず押し出し四球で1点差とされた。そして、二死後に小郷に真ん中付近の直球を捉えられてサヨナラ打を浴びた。

 昨季の反省を踏まえ、阿部監督ら首脳陣は「無駄な四球の削減」の実現に注力してきた。シーズン序盤戦で投手陣の好調を支えていたのは、その意識が全体に浸透していたからこそ。しかし、この試合では終盤の2イニングだけで6与四球。1試合平均で2・74個となり、気がつけば昨季の2・8個に迫っている。

 僅差の戦いが続く中、6月に入って西舘、バルドナードらブルペンを支えてきた投手たちにも疲れが蓄積しているのだろう。失点する場面も増えてきた。「ゾーン内で勝負しないといけない」と杉内投手チーフコーチ。苦しい時こそ、原点に戻りたい。(財津翔)