俯瞰で見た3バック初陣に久保建英「誰が見ても彼が一番良かった」アジア杯の教訓も踏まえシリア戦へ

AI要約

日本代表MF久保建英が新システムでの3バック布陣について語った。

久保は両ウイングバックの重要性や攻撃的な姿勢に言及し、次戦のシリア戦に向けて意気込みを示した。

また、アジア杯の教訓を活かしつつ、ロングボール対策への心構えも語った。

久保は2次予選を通して新システムのトライを続けることでさまざまなオプションを広げる重要性を強調。

シリア戦での布陣や選手起用についても前向きな姿勢を見せている。

久保はチームとしての一体感や戦術の修正についても言及し、次なる試練に向かう覚悟を示した。

俯瞰で見た3バック初陣に久保建英「誰が見ても彼が一番良かった」アジア杯の教訓も踏まえシリア戦へ

 北中米W杯アジア2次予選・シリア戦(11日)を控える日本代表MF久保建英(ソシエダ)が10日の前日練習後、報道陣の取材に応じ、今回の活動で新たに導入されている攻撃的な3バックへの感触を語った。

 3-4-2-1の新システム初陣となったミャンマー戦(◯5-0)はベンチメンバー外だったため、久保はDF長友佑都(FC東京)、DF冨安健洋(アーセナル)とともにスタンドの特別ルームから観戦。ハーフタイムには味方選手に指示を出す場面がJFA公式Youtubeで公開されており、俯瞰視点で分析しながら展開を見守っていたようだが、システムのキーポイントとしては「両ウイングバックが誰になるかによって変わってくると思う」という見解を示した。

「前回は中村(敬斗)選手の縦(突破)というところが攻撃の形になっていた。結果的に彼がMVPを取っているし、誰が見ても彼が一番良かったかなというのは僕も思うとおり。両ウイングバックが誰になるかによってどうしてもどっちから攻めるかが変わってくると思う。ただこの前の試合を見ていると、両ウイングバックが誰になってもできるだけ高い位置を取って、相手を押し込んでから戻すというプレーが効果的になってくるかなと。そのための“ウイング寄りのウイングバック”だと思うので」

 試合途中からは左ウイングバックのFW中村敬斗がFW前田大然に、右ウイングバックのDF菅原由勢がMF相馬勇紀に交代したが、攻撃的な姿勢は徹底されており、久保は「誰が出てもチームとして、できるだけ押し込んでから戻す、簡単に横を向かずに縦に行ける時は行くというのをチームとして共通できているなと試合を上から見ていて思った」と振り返った。

 続けて久保は3バックの両脇がゲームメークを行う必要性も指摘。「基本的には5(バック)にならずに3で、あわよくば(CBも)1と2みたいな感じで、ボランチの人がやっていた役割を左右のCBができるようになれば、もっと押し込むというか、もっと一方的な展開になると思うので、明日できればトライしたい」と意気込んだ。

 その一方、シリアは日本相手に勝たなければ2次予選敗退という危機に瀕しており、高いモチベーションで戦ってくることが想定されており、久保自身も「相手も勝たないといけない情報が入っているので、そんなに楽な戦いにはならないと思う」と警戒は欠かさない。

 もし競った展開になった場合、シリアは前線のフィジカルを活かしてロングボール攻勢に出てくることも考えられ、日本にとってはアジア杯の反省点と向き合う形となりそうだ。

 久保は「負けてしまった最後の試合(準々決勝のイラン戦)は後半始まる前からロングボールばっかり相手が蹴ってきて、僕としては楽しくなかったし、すごく難しいゲームだった」と振り返りつつ、「その中でもみんなで跳ね返して、僕たちはロングボールは多用せず、しっかり繋いでというのをどの相手でもできるようになれば」と改善点を見つめる。

 またその上であえて高い視座を掲げていた。

「かといってたぶん僕らより強い相手がロングボールを蹴ってくることはないと思う。最終予選はロングボールを蹴ってくるチームがいると思うけど、僕らが見ているのはもっと先だと思うので、ロングボールごときといったらよくないけど、単純で単調な相手の攻撃に惑わされないようにしっかり準備したい」

 ロングボール対策への心構えもできているようだ。

「正直ロングボールを競るのは僕の仕事ではないので、こぼれのところを積極的に拾っていくのが僕含めた中盤から前の仕事だと思う。ああいうのを蹴ってくる場合はDFの選手をしっかり信頼して、しっかりセカンドボールを拾って、なおかつ落ち着かせる。ロングボールを簡単に後ろの選手に返してしまうと、今度は僕らが蹴らないといけない展開になるので、ロングボールを蹴ってくる場合はなんとか前を向いて落ち着かせるプレーをしたいなと思います」

 アジア杯の教訓も活かしつつ、新システムでのトライを続けるシリア戦。シャドーでの起用が見込まれる久保は「最終予選の前に2次予選をやるメリット、デメリットがあると思うけど、メリットの一つはこうやって早く突破を決めた時、さまざまなオプションをトライできるのが一つのメリット。これがもちろんファーストチョイスではないと思うけど、あくまでもオプションを広げるところではすごく良い感じになっている。これがファーストチョイスならまだまだ改善点はたくさんあると思うけど、オプションとして一時的に相手によって使い分けるという良いトライだと思う」と3バック布陣のテストに前向きな印象を述べつつ、「2試合目は違った選手が出ると思うし、1試合目の改善点を踏まえて修正できるところはあったので、それを形にしていければ」と意気込んだ。