波紋を呼んだ世界ランク1位への“腕試し” 完敗の日本にポーランド紙は疑念「我々は煙幕を巻かれたのかも」【男子バレー】

AI要約

男子バレーボールのVNLで日本代表がポーランド代表にストレート負けした際に行った大胆な戦術について波紋が広がっている。

フィリップ・ブラン監督は主力メンバーを温存し若手を起用、さらに特殊な戦術を試みたが敗北。母国紙からも煙幕を巻かれたとの指摘が出ている。

この敗北が日本の五輪メダル獲得への影響をどう考えるか、今後のパフォーマンスが鍵となる。

波紋を呼んだ世界ランク1位への“腕試し” 完敗の日本にポーランド紙は疑念「我々は煙幕を巻かれたのかも」【男子バレー】

 さらなる高みを目指した采配が一部で波紋を呼んだ。

 6月7日、男子バレーボールの「ネーションズリーグ(VNL)」は予選ラウンド第2週の第3戦を開催。世界ランク4位の日本代表は同1位のポーランド代表と対戦し、0-3(17-25、15-25、20-25)のストレート負けを喫した。

 結果的に福岡ラウンド初黒星を喫し、大会通算成績を5勝2敗とした日本。しかし、この試合ではフィリップ・ブラン監督が大胆な策を講じていた。というのも、チームの底上げと競争力の強化を狙った指揮官は、石川祐希、高橋藍、西田有志ら主力メンバーを温存。福岡ラウンドで出場機会の少なかった宮浦健人、甲斐優斗、富田将馬、バデダン・ラリーら若手を起用した。

 すでに五輪出場権を獲得しているからこその采配ではある。しかし、格上との差は歴然で、世界随一のパワーで圧倒された日本は成す術なく敗戦。試合後には一部のファンから「捨て試合を見させられて、観客が可哀想」「なんで負けているのに主力を出さないの?」といった意見が殺到した。

 主力温存以外にも、試合前に石川がリベロのユニホーム姿を見せたほか、第2セット終盤にはリベロ登録の山本智大を投入し、“最強リベロ”小川智大との同時プレーを採用するなど、話題になるシーンも多く見られた日本。とにかく試せる戦術を全て試した感があるチームには、相手も小さくない違和感を抱いたようだ。

 ポーランドの母国紙『Przeglad Sportowy』は、「日本は最強の布陣で挑んだ欧州王者に対して煙幕を巻いてきた」と指摘。さまざまな策を講じた日本のプランニングを「こちらを動揺させようとしたのだろう」と分析し、次のようにリポートしている。

「ブラン監督が今回のような行動に出たのは、ポーランドと日本がパリ五輪の重要な試合で対戦する可能性があるためで、我々は煙幕を巻かれたのかもしれない。さらにこのフランス人監督は、他のチームとの対戦で得点を挙げることの方が重要だと考え、主力を温存することを優先した可能性もある」

 果たして、この敗北は五輪でのメダル獲得を目指す日本にとってどのような意味を持ってくるのか。すべては今後のパフォーマンス次第と言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]