【バレー】ニコラ・グルビッチ連載②ポーランド代表の強化につながった“実りある時間”。指導者としての願いは「選手たちが最高のバレーボールをする」こと

AI要約

男子ポーランド代表のグルビッチ監督が厳しい要求を選手に伝え、落胆を隠さない姿勢を見せる

選手たちにミスを恐れないプレーを求め、強いチームになるために準備を重ねている

チーム関係者によると、ロッカールームでも長く会話する時間を設け、熱心なコーチングを行っている

【バレー】ニコラ・グルビッチ連載②ポーランド代表の強化につながった“実りある時間”。指導者としての願いは「選手たちが最高のバレーボールをする」こと

 今夏のパリオリンピックで金メダル候補筆頭と評される男子ポーランド代表。2022年から始まったオリンピックサイクルでチームを指揮するのは、バレーボール界における名プレーヤーの一人、ニコラ・グルビッチその人だ。自身も2000年のシドニーオリンピックでは母国のユーゴスラビア(当時)に初の金メダルをもたらした功績を持つ。その人物像そして代表監督としての思いに独占インタビューで迫る【その②/全4回】

 男子ポーランド代表のエース、アレクサンダル・シリフカは、チームを指揮するグルビッチ監督からの要求は「厳しい」と表現した。確かに記憶にあるのは、1年前のネーションズリーグ予選ラウンド第1週最終戦のこと。この試合でポーランドは、主力メンバー不在のセルビアに対してストレート負けを喫した。グルビッチ監督は試合後すぐさま選手たちを集め、その場でミーティングを行っている。観客の目の前、それもベンチで、だ。そこで伝えたこととは。

「まず選手たちには『私は、試合に向けてこのような向き合い方を好まない』と伝えました。彼らは見るからに試合中、恐れを抱きながらプレーしていた。ミスすることへの恐れ、です。ただ、このレベルにおいてミスを恐れるのであれば、仕事を変えたほうがいい。なぜなら、それは到底受け入れられることではないからです。昨晩、コートでやるべきことについて長いミーティングをしたにも関わらず、このざまでした。とてもがっかりしていますよ。私が彼らに求めたことは今日、何も実現できませんでした」

 グルビッチ監督は落胆を隠さなかった。その言葉の節々から、闘将と称されるゆえんが感じられた。

「私はただ試合でバレーボールをするためだけに準備をしているわけではありません。強いチームに勝つために何が必要かをわかっている。だからこそ、体育館やコート内で会話し、ミーティングを重ねて準備をしているのです」

 チームの関係者が明かすに、ロッカールームでもグルビッチ監督は長く会話する時間を設ける。それがコーチとしてのアプローチなのだ。