WGP・山中琉聖、念願の表彰台「あぁ、やっと立てた」初シャンパンファイト「うれしくて飲み過ぎ…今もちょっと酔っている」一夜明けインタビュー

AI要約

MSIの山中琉聖(22)がモト3クラスでついに念願の表彰台に立つ

山中は予選で苦戦するも、決勝では再レースで14番グリッドから3位フィニッシュ

山中は日本での練習の成果を実感し、今後のレースに自信を持って臨む

◇WGP 第7戦 イタリアGP ロードレース世界選手権 決勝 2日

ムジェロサーキット ペン&カメラ=遠藤智

 モト3クラスでフル参戦5年目を迎えたMSIの山中琉聖(22)が3位フィニッシュ。82戦目にして、ついに念願の表彰台に立った。練習走行は総合2番手で「今年一番の仕上がり」と自信を見せるも、予選は13番手。事故による赤旗中断で17周が11周に短縮されて再レースとなった決勝では、14番グリッドから先頭集団に加わって最終周に表彰台圏内に食い込んだ。歓喜から一夜明け、喜びいっぱいの心境を聞いた。

 ─初表彰台獲得おめでとう。チェッカーを受けた瞬間の気持ちは?

 山中「『ヤバイっす』って感じ。めっちゃうれしくて、もう本当に言葉にならない。『あぁ、やっと立てた』って気持ち。今年は開幕からチームメートの(イバン)オルトラとモト2の2人(セルジオ・ガルシア、小椋藍)が表彰台に立って、自分だけ表彰台がなかったから、本当に良かった。4年ちょっと待ち続けて、うれしさも他の人には感じられないものがある」

 ─予選の失敗から立て直し、表彰台に立てた要因は?

 「今年になって一番、気持ち良く乗れていた。予選でタイムを出せなかったのは自分のミスというより、単にツイていなかっただけ。フリー走行、練習走行では単独でタイムを出せていたし、すごくフィーリングも良かった」

 ─決勝は赤旗で再レースに。4番手を走行していた最終周に、前のオルトラが転倒した。

 「1回目は序盤の混戦が落ち着いて、『さぁ、ペースを上げていこう』と思ったときに赤旗になった。再スタートの時に新品のタイヤがなくて、ユーズドのままいったのはちょっと厳しかった。オルトラも同じ状況だったから、終盤ペースを落としたんだと思う。位置取りとかを考えれば、再スタートの方が自分には良かった」

 ─今季は第3戦から2戦連続4位と、表彰台のチャンスがあった。どんな気持ちで戦ってきた?

 「とにかく、表彰台、優勝のことは考えないようにした。みんなに聞かれるけど、『ベストを尽くすだけ。力を出し切れば、いつかは表彰台に立てる』と自分に言い聞かせていた。表彰台に立ったことで、次のレースからは落ち着いて戦えると思うし、これまで以上に良いレースをする自信が生まれた」

 ─今年は引き続きバルセロナを拠点にしながら、なるべく日本に帰ってサーキットで練習してきた。

 「もちろんレースで走るバイクとは違うけど、走ることで得られるものはたくさんあるし、絶対に成果はある。今年は日本からサーキットに行くことも多いけど、これまでと違って、いい意味で気持ちをリフレッシュしてレースウイークに入っていけている」

 ─日本からの反応は?

 「いつも応援してくれている多くの人たちから、たくさんメッセージをもらった。あまりにも多くてまだ読み切れていないので、日本に帰る飛行機でじっくり読みます。次のオランダGP(30日決勝)までの3週間、最高の気分で帰国できる」

 ─初めて経験したシャンパンファイト、そしてシャンパンの味は?

 「あまりにもうれしくて飲み過ぎた。表彰台に立った喜びとシャンパンで、今もちょっと酔っている。この気持ちをもう少し味わっていたい(笑)」