【全米女子オープン】しぶこスマイル完全復活!渋野日向子「また新しい章が」日本勢ワンツー2位

AI要約

渋野日向子が全米女子オープンで2位に入り、復活のプレーを見せた。

苦しんだ過去からの脱却を果たし、自信を取り戻した25歳の姿が光った。

ゴルフへの情熱を貫き、試行錯誤の末、久しぶりに自分らしいプレーを発揮した。

【全米女子オープン】しぶこスマイル完全復活!渋野日向子「また新しい章が」日本勢ワンツー2位

<米女子ゴルフツアー:全米女子オープン>◇最終日◇2日(日本時間3日)◇米ペンシルベニア州ランカスターCC(6583ヤード、パー70)◇賞金総額1200万ドル(約18億6000万円)優勝240万ドル(約3億7200万円)

 4位から出た渋野日向子(25=サントリー)は2バーディー、4ボギーの72で回り、通算1アンダー279で笹生優花に次ぐ2位に入った。ここ数年はスイング改造など試行錯誤で成績は低迷。今季は米ツアーのシード権も喪失し、ここまで9戦中6戦で予選落ちと苦しんだ。19年全英女子オープン以来のメジャー制覇はならなかったが、躍進のプレーで完全復活を証明した。

 悔いなきプレーはいつ以来だろう。渋野は最後の1打のグリーン上で、久しぶりに心から笑えた。日本勢ワンツーフィニッシュとなる2位。18番のプレー途中で、笹生の優勝が決まると両手を上げて拍手した。

 「悔いはないかな。最後の最後まで全力でやれた。届かなかった優勝でもないと思いますけど、優花が強い、強かった!」

 首位と2打差4位で迎えた最終日。メジャーでの優勝争いに「昨日の夜から吐きそうだった」と明かしたが、一方で心地よさも感じていた。低迷が続いていただけに「この位置で戦えていることが奇跡」と難コースを楽しんだ。12番パー3では約7メートルの大きなスライスラインのバーディーパットをねじ込む。最後まで攻めの姿勢を貫いた。

 進化を求めたスイング改造に苦しんできた。コーチを複数回変更。昨年4月には左手親指を痛めて迷走に拍車がかかった。この2年は米ツアーで成績が残せず、現在の世界ランクは192位。昨年末は今季のシード権を喪失した。今季9戦中6戦で予選落ちし、直近の出場大会も2戦連続予選落ちだった。

 どん底だったが、ゴルフへの気持ちに変化はなかった。「どういう結果になろうが、来年どこの場所で戦おうが、自分はゴルフを続けていくだけだとは思っていた」。だからこそ試行錯誤は苦にならない。今大会前はドライバーとアイアンのシャフトを以前使用していた柔らかいタイプに変更。この決断がはまる。ショットの安定性を示すパーオン率が55・1%から69%にアップし、大会トップの17バーディーを獲得。第3ラウンドにはカップの縁にボールが10秒止まって入る「10秒の奇跡」もあった。ひたむきな努力を、ゴルフの神様は裏切らなかった。

 19年全英女子オープン以来となるメジャー2勝目はならなかったが、久しぶりに自分らしいプレーを取り戻した。「ここからまたスタート、また新しい章がスタートできるな、っていう感覚なので、すごく前向きな気持ちです」。挫折を乗り越えた25歳が、たくましく見えた。