中高生が内視鏡で模擬手術 ~消化器内科の体験セミナー―東京医科大~

AI要約

東京医科大学が中高生向けに消化器内科のセミナーを開催。参加者は内視鏡機器や超音波装置を体験し、進路を考える機会に。

消化器の広い領域と医療機器の役割。大腸カメラや胃カメラを使った体験が行われ、専門医の指導も。

内視鏡操作の難しさに挑戦。臓器の内部は暗く、曲がりくねっており、慣れが必要と指導医は説明。

中高生が内視鏡で模擬手術 ~消化器内科の体験セミナー―東京医科大~

 東京医科大学(東京都新宿区)の消化器内科が、夏休みを利用して中高生向けセミナーを開いた。参加者は、最先端の内視鏡機器や超音波装置、シミュレーターを使い、本番さながらの施術を体験。将来の進路を考える機会になったようだ。

 集まったのは中学2年生から高校3年生の40人。「家族が医療者」「医学に興味がある」「夏休みなので体験できるイベントに参加したかった」など、参加の動機はさまざまだ。

 体験できたのは、大腸カメラ、胃カメラ、超音波、肝臓穿刺、カテーテル、身体診察、バーチャルリアリティー(VR)の7種。第一線で活躍する現役の専門医らが指導した。

 消化器の領域は幅が広い。口から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆道、膵臓(すいぞう)―。当たり前だが、外からこれら臓器は見えないため、病気があるかどうかは確認できない。開腹せずに検査したり、手術したりするのに活躍するのが、大腸カメラなどの医療機器というわけだ。

 「ドラマで見たのと同じように、よく引っ張って、バチーンと密着させる。切れないからやってみて」。まずは全員が手術用のガウンとゴムの手袋を身に付ける。

 今回用意された内視鏡は、胃カメラと大腸カメラ。臓器は医大生が使っている練習用の模型だ。

 胃カメラでは、病気の部分を取り除く「スネア」という輪っか状の処置具を使い、胃のポリープを切除する体験。大腸カメラは、肛門から大腸を通して、ゴールは盲腸。到達時間を競うタイムトライアルが行われた。

 カメラの操作は、片手に収まる大きさの二重ハンドルで、上下・左右にカメラの先端部を動かす。「画面見ながら動かすよ。手元見ないよ」「行き止まりになったね。ハンドルアップ」。指導役の医師から声がかかる。

 臓器の内部は暗く粘液で覆われている上、曲がりくねってなかなかカメラが進まない。「思った方向に動かず、手首で微調整しながら、やっとたどり着けた」「腸はぐちゃぐちゃ。全然カメラが入っていかない」と、みんな四苦八苦。指導医は「私たちもこれで練習してきた。何カ月もやり続けて慣れてから、実際の現場に立つ」と応じた。