2024年9月の星空情報 中秋の名月は17日

AI要約

夏の終わりを感じさせる9月の星空や神話について説明されています。

夏の大三角を形成するベガ、デネブ、アルタイルの星座や神話の話が綴られています。

星座や神話が季節の移り変わりと共に輝きを増していく様子が描かれています。

2024年9月の星空情報 中秋の名月は17日

9月、夏の暑さは少しずつ和らぎ、澄んだ空に月が美しく浮かぶ季節となりました。

しかし、まだ空高いところに夏の大三角を見ることができます。

夏の大三角は、3つの1等星からなるやや細長い形の三角形です。

大三角の中で最も明るい星はベガです。「真夏のダイヤモンド」、「真夏の女王」の愛称を持つベガは、真夏を過ぎてもなおきらびやかに輝いています。

ベガは古代ギリシャの竪琴「リラ」が描かれた「こと座」の星です。

神話では、リラは太陽の神アポロンが息子オルフェウスに贈ったものであると語られています。

大三角のうち、ベガに近い星はデネブです。名の由来は「しっぽ」で、しっぽから体、首、くちばし、交差するように翼の星を結ぶと「はくちょう座」が描けます。

神話では、この白鳥は神々の王ゼウスが、スパルタの王妃レダに会うために変身した姿です。

レダは白鳥に変身したゼウスと会った後、卵を2つ産みました。片方の卵からは男の子の双子が生まれました。これが「ふたご座」のモデルとなったカストルとポルックスです。

もう片方の卵からは女の子の双子、ヘレンとクリュタイメストラが生まれました。ヘレンは絶世の美女で、トロイア戦争のきっかけとなったと語られています。

ベガから遠い星はアルタイルです。アルタイルとは「飛ぶワシ」という意味で、名前通り「わし座」の星です。

このわしもゼウスが変身したもので、トロイアの王子ガニメデスを神々の国へ連れて行くための姿であると語られています。

ガニメデスは神の国でお酒を給仕する役割を与えられました。その姿が秋の星座「みずがめ座」です。

ガニメデスが持つ水瓶から注がれる液体は、神酒ネクタルであるといわれています。

ネクタルの流れの先には1等星フォーマルハウトがあります。フォーマルハウトは「魚の口」という意味で、「みなみのうお座」の口もとの星です。

ネクタルの流れの中には土星があります。また、深夜になると冬の星座とともに木星、火星が上ってきます。

9月22日の秋分を過ぎると、夜が昼よりも長くなり、星を観察しやすい時季になります。涼風に吹かれながら、夏から秋、冬へ移り変わる星空とその中に輝く惑星たちを、ゆっくり眺めてみてはいかがでしょうか。