猛威を振るう「マイコプラズマ肺炎」 検査しても結果がすぐに出ないことも 長い潜伏期間

AI要約

マイコプラズマ肺炎が14歳以下の子供たちに特に流行し、国立感染症研究所によると患者数が増加しています。

症状は主に乾いたせきや発熱、倦怠感であり、検査結果の出るまで診断が難しい性質を持ちます。

予防策としては手洗い、うがい、マスク着用、早めの病院受診が重要です。

猛威を振るう「マイコプラズマ肺炎」 検査しても結果がすぐに出ないことも 長い潜伏期間

主に14歳以下の子どもたちが感染し、高熱や倦怠感を伴うマイコプラズマ肺炎が猛威を振るっています。名古屋の小児科を取材しました。

 「マイコプラズマ肺炎は、4年に1回流行すると言われていて、毎年、流行するというものではなく、何年かに一度流行する感染症」(みわた小児科 三輪田俊介 医師)

 この夏、「マイコプラズマ肺炎」が約8年ぶりの高水準に。

 国立感染症研究所によると、11日までの1週間の患者数は定点1医療機関あたり、全国で「1.14人」となり、去年の同じ時期と比べ57倍の多さ。

 なかでも愛知では、11日までの1週間で「2.07人」と全国平均を大きく上回っています。

 名古屋市西区の「みわた小児科」では――

 

 Q.こちらでもマイコプラズマ肺炎の患者は増えていますか

 「1カ月前くらい7月中旬ぐらいから、10代の子どもを中心に、マイコプラズマの患者が多い印象があります」(三輪田医師)

 Q.マイコプラズマ肺炎とは、どんな病気

 「軽いせきが続くという初期症状が多く、または発熱の症状が出る人もいます。いわゆる風邪の症状ですね、中には肺炎になってしまったり、またとても変わった感染症で、いろんなアレルギーの発疹が出たり、重症化すると脳炎や肝臓や腎臓に炎症を起こしてしまうことも」(三輪田医師)

 マイコプラズマ肺炎は、乾いたせきが2週間から3週間つづき、37℃から38℃ほどの発熱や、倦怠感が主な症状で飛まつ感染や接触感染で広がります。

 国立感染症研究所によると、1980年代まではオリンピックがある年に流行することが多かったといいます。 

 また、患者の約8割が14歳以下ということですが、夏休み中に感染が拡大しているのはなぜなのでしょうか。

 Q.今は夏休み期間なのに、それでも流行しているのはなぜ

 「もちろん夏休みなので多少は、流行が抑制されているとは思うが、しかし全員が熱を出したり、しんどいせきが出るわけではなく、軽いせきで元気に出歩いている人も多いので、知らない間に感染し、今になって発症しているという可能性は十分にあると思います」(三輪田医師)

 マイコプラズマはインフルエンザや新型コロナと比べ、潜伏期間が長く発症までに2週間から3週間かかることから、8月に発症した患者は夏休みに入る前に感染していた可能性が高いといいます。

 さらに、マイコプラズマ肺炎は検査をしても結果がすぐに出るわけではなく、診断が難しいことも感染が広がっている要因の一つではないかと三輪田医師は話します。

 Q.どのように予防すればいいですか

 「新型コロナと同じように、手洗い・うがい。体調がすぐれず、せきが多い人はマスクをすると周囲への飛散を減らせると思います。特に今はエアコンなどで、のどを痛めやすい環境だと思うので、規則正しい生活をして体調を整えること。せきの多い人は早めに病院で受診することが予防になると思います」(三輪田医師)