海面を走る白い雄花 西表島のウミショウブ、ウミガメが増えて危機に

AI要約

海草「ウミショウブ」の白い小さな花が、夏の日差しに照らされた海面を走る。

今年7月、環境省の上森沙恵さんが浅瀬で撮影に成功し、雄花が海面に浮かび上がる様子を捉えた。

ウミショウブの減少は増加したアオウミガメによる食害が理由で、保護活動の成果としてアオウミガメの個体数が増加したことも確認されている。

海面を走る白い雄花 西表島のウミショウブ、ウミガメが増えて危機に

 海草「ウミショウブ」の白い小さな花が、夏の日差しに照らされた海面を走る。沖縄県西表島の夏の風物詩といえるこの光景がほとんど見られなくなっている。

 今年7月、島東部の浅瀬で環境省西表自然保護官事務所の上森沙恵さんが撮影に成功した。雄花は海中で株から切り離されると、海面に浮き上がって花弁が反り返り、3ミリほどの雪だるまのような形に。風に身を任せて海面を滑り、雌花をめざす。「以前は海で泳ぐとウミショウブの葉が足に絡まることもあったが、今では限られた場所でしか見られなくなった」

 減少の理由は、増加したアオウミガメによる食害だ。かつては乱獲や環境悪化で減少したが、産卵地の保護活動が活発になり、個体数の増加につながったとみられる。