<新庄語録>「幸太郎くん褒めることない。まぐれです」「ナッツ食ってた」

AI要約

新庄監督は報道陣の前では清宮選手を褒めず、本塁打を喜ぶ態度を取らない。しかし、清宮の成績を指しては、「長続きしない爆発力」という特徴を指摘し、チーム内での役割を強調している。

清宮が好調な時期にもなお「信じない」とコメント。清宮の打撃力を認めつつも、まだまだ伸びしろがあると冷静な目で評価している。

清宮が走塁ミスをしても、新庄監督は厳しい姿勢を崩さず、今後の成長へのチャンスを与える姿勢を示している。清宮のプレーに対しては的確なアドバイスを行っている。

<新庄語録>「幸太郎くん褒めることない。まぐれです」「ナッツ食ってた」

 プロ野球北海道日本ハムの新庄剛志監督が、報道陣とのやりとりで残した言葉をまとめて紹介する<新庄語録>。今回は特別編です。

 新庄監督は、報道陣の前では清宮幸太郎内野手をあまり褒めません。例えば清宮が本塁打を打った日。監督はベンチで本塁打を喜んでいても、取材では「見てなかった」と逃げます。あの手この手でかわす「コント」のようなやりとりが繰り広げられているのです。清宮に対する愛のムチかもしれません。

 特別編では監督の清宮に関するやりとりを抜粋し、一問一答形式でまとめてみました。

■7月20日、 10―2千葉ロッテ戦

 清宮が今季初の猛打賞を記録した。打撃不振で5月6日に出場登録選手を抹消され、6月11日に1軍に復帰。復調の兆しかと思いきや…。

 ――清宮は良い打撃だった

 「ね、良かったね。何日続くやら。それが彼の長所でもあって、短所でもある。爆発するけど、まあ長続きせん(笑)。そこは僕の判断が重要になってくるから」

■7月21日、10―6千葉ロッテ戦

 前半戦最終日、「6番・一塁」で先発し、2本塁打を含む4打数4安打と前日に続いて打ちまくった。

 ――すごい打撃戦だった

 「すごかった。今日から、清宮くんはもう寝ないです、後半戦まで(笑)」

 ――清宮はもう(調子が戻ったと)信じていいか

 「いや、信じません。まだまだ。(7月21日時点で本塁打は)3本でしょ。今の時期、10本は打ってないといけない選手。ただ、良い打線のつながりで、清宮くんが6、7番で魅力ある打線になっている。恐怖心は与えてると思う」

■8月1日、7―6オリックス戦

 清宮が一回に先制の4号ソロを放ち、チームに勢いを付けた。

 ――清宮が好調

 「タイミングの取り方も良いし、ポイントも良いし、崩れないし。しっかりボールに当てて運ぶ感覚っていうのは今、ものすごくあるんじゃないですか」

 ――本格化したか

 「いや、そんなのまだまだ。信用しない、一生(笑)」

■8月3日、8―7ソフトバンク戦

 三回までに5点リードされる展開だったが、打者が奮闘。3―6の五回に清宮の3ランで同点に追い付いた。

 「(清宮)幸太郎くんは褒めることはない。あれはもう、まぐれです」

■8月6日、5-1楽天戦

 三回1死、清宮が四球で出塁。しかし郡司の中飛でアウトカウントを間違えて飛び出し、併殺に倒れた。一時ぼうぜんとしていたが、ミスを挽回しようと奮闘。五回に先制の右中間適時二塁打を放った。

 ――清宮が(三回に)走塁ミス。アウトカウント間違いだったか

 「それ以外ないでしょ。いやいや…でも今のこの状態で、集中力を持って(プレーしてほしかった)。普通なら変えてますけど、もう一回チャンス与えようと思って。結果論ですけどね。打ってね、あすお仕置きしておきます」

■8月10日、5-1西武戦

 6月16日巨人戦以来となる4番で先発。3-1の八回、先頭の郡司が同点弾を放った。その直後、次打者の清宮の右越え本塁打で突き放した。

 ――郡司に続いて清宮もホームランを放った

 「あー、打ったね。お腹空いて、カロリーメイトの袋を開けてたら、打ってました。見てなかった(笑)。良いバッティングしました? 後でチェックしときます(笑)」

■8月11日、8―7西武戦

 清宮が2日連続で4番で先発。五回、前日に続き2試合連続の本塁打を放ち、エスコンを沸かせた。

 ――4番清宮がすごい

 「いや、2年前に僕が痩せろと言っていなかったら間違いなくライトフライ。ボスのおかげ(笑)。(痩せないと)キレが出ていないから」

 ――きょう4番に決めた経緯は

 「(4番ではなく)4番目ですけどね、4番目ですけど」

 ――その4番目がしっくりきている

 「4番目がしっくりきている。でしょう。右投手からも左投手からもしっかり結果を出しているので。まだ信用はしていないですけどね。たったのここ何試合ですからね」

■8月20日、5-3千葉ロッテ戦

 2―0の三回1死三塁、右翼フェンス直撃の三塁打で貴重な追加点を上げた。

 ――4番清宮はいい当たりをしていた

 「あ、そう?ナッツ食ってた、ナッツ」

■9月4日、8―5ソフトバンク戦

 2―5の九回に、一挙6得点して快勝。大量得点のとどめは、清宮の右越え2ランだった。

 ――清宮のホームランで喜んでいた

 「いやいや、ここで1発出たら大したもんだなって心の中で思いながら、打って帰ってきて。あのクラゲポーズ?イカポーズ?あれをしないかをずっと見てた。あれいらないんですよ、イカポーズ(笑)。ボスがいないとこでちょっとキュキュッと(ポーズしていた)。ホームラン打ってんだから、かっこよく振る舞ってほしいんですよね」

■9月8日、4―5オリックス戦

 3-4の九回1死二、三塁、清宮の右前打で同点に追い付いた。清宮は一塁を蹴って二塁を目指したところで、外野手からの返球を相手の一塁手がカットし、一、二塁間で挟まれてタッチアウトになった。次打者のマルティネスは右飛。清宮がアウトになっていなければ、犠飛となって勝ち越せた可能性もある。だが、新庄監督の言葉は優しかった。

 ――同点打の清宮が走塁死

 「打者がヒットを打って、やったー!っていう気持ちで次の塁、次の塁と狙う気持ちが分かるので。ずっと言ってるけど、1点入ったら終わりなので、あそこは(一塁コーチボックスにいた)代田(データ分析担当兼走塁)コーチが早めに『ストップ、ストップ、ストップ!』っていう声掛けはしないといけなかったですね」

 ――本人は声に気付かずそのまま走ったか

 「もちろん、もちろん。バーって行きますよ。ああいうケースで、ああいう走塁になって、ああいうボール(返球)が来るっていうのはなかなかないこと。これも経験の一つ。打った打者は、それはもう全力疾走しますよ」