市有地30年無断使用「1千万円以上相当」岐阜・土岐市、財産管理怠り再発防止へ

AI要約

岐阜県土岐市議会の定例会で、市有地の無断使用に関する問題が取り上げられた。30年以上にわたって約1千万円以上に相当する市有地の無断使用があったことが発覚し、再発防止に取り組む方針が示された。

市は1992年ごろから30年以上にわたり16人の無断使用を確認。住民の意向を確認する文書の送付や契約締結を進める取り組みがなされていたが、不公平を感じた住民からの監査請求をきっかけに問題が明るみに出た。

目下、市は無断使用を確認した15人と賃貸借契約を締結し、1人とは交渉中。賃貸借契約が全員締結された場合、市の収入は約1千万円程度になる見込みである。

市有地30年無断使用「1千万円以上相当」岐阜・土岐市、財産管理怠り再発防止へ

 岐阜県土岐市議会の定例会は9日、本会議を再開し、一般質問を行った。市は1992年ごろから2022年ごろまでの約30年間、貸付料に換算しておよそ1千万円以上に相当する市有地の無断使用があったことを明らかにした。加藤淳司市長は「『財産管理を怠った』と言われても仕方のない状況と指摘され、大変重く受け止めている」と述べ、再発防止に努める方針を示した。

 塚本俊一議員(かけはしみんなの声)の質問に答えた。市によると、89年に市内の住宅団地で市有地の境界を調べた際、27人の市有地の使用が判明。92年に住民の意向を確認する文書を送り、対応を希望した人に貸し付け5件、払い下げ2件を実施した。

 ところが30年以上経過した2022年の地籍調査で、市は16人の無断使用を確認した。契約締結を円滑に進めるため損害賠償請求を行わなかったところ、約30年間土地の賃借料を支払っていた住民が不公平を訴えて5月に住民監査請求を提起し、経緯が判明した。請求は6月に棄却された。

 松原裕一総務部長は「無断使用を確認した16人のうち15人と賃貸借契約を締結し、1人とは交渉を進めている」と現状を述べた。仮に全員の賃貸借契約が締結されていた場合の市の収入を問われると「概算だが、16人で年間30万円程度の30年分になるので、約1千万円程度かそれ以上になる」と答弁した。

 地籍調査までの市の対応については「申し出があった方から交渉を進める方向だったとみられる。こちらから積極的にやっていなかった」と認識を示した。加藤市長は「今後は市有地が無断使用の状態で放置されることがないよう適正管理に努めたい」と話した。

 この日は他に渡邉豪(新世クラブ)、大久保一夫(同)、小栗恒雄(市民ライフ)、小関篤司(日本共産党)の4議員が登壇した。一般質問は10日も行われる。