麦芽かす飼料が“隠し味” ヤギの熟成チーズお披露目へ 29日に島田でマルシェ

AI要約

島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」が、ビールの製造過程で大量に出る麦芽のかすを活用した熟成チーズを29日に発表する。

同醸造所では、麦芽かすを産業廃棄物として処分していたが、地元の「山羊のしっぽ農園」に提供し、ヤギの飼料として活用されている。

麦芽かすを使った熟成チーズは、麦芽の風味とミルクの繊細さを兼ね備え、地元特産品のマルシェで提供される予定。

麦芽かす飼料が“隠し味” ヤギの熟成チーズお披露目へ 29日に島田でマルシェ

 島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」が、ビールの製造過程で大量に出る麦芽のかすを静岡市葵区小布杉の「山羊のしっぽ農園」に提供している。麦芽かすを活用した飼料を食べて育てたヤギの熟成チーズを29日に同醸造所で開くマルシェでお披露目する。

 一般的に麦芽かすは産業廃棄物として処分され、同醸造所では畑の肥料としても利用していた。醸造所を運営するビアホップおおいがわの小林浩樹代表(56)と同農園の水谷昌子さん(44)が藤枝市地域おこし協力隊員の紹介で出会い、水谷さんの「静岡ならでは素材を使いたい」との思いから、麦芽かすを昨年秋頃から活用している。

 麦芽かすに、おからや米ぬか、大豆を混ぜた発酵飼料を飼育するヤギに食べさせている水谷さんは「絞ったミルクの風味が繊細になる。甘くすっきりしていて臭みも出ない」と話す。搾乳から2時間以内に製造を開始した新鮮なミルクを使い、自然の力を借りて発酵させた熟成チーズを今回提供する。

 小林代表は「本来捨てていたものを生かせたことは、SDGs(持続可能な開発目標)の推進にもつながる。熟成チーズはほうじ茶を使ったクラフトビール『シマダブラウンエール』にも合うはず」と太鼓判を押す。

 地元の特産品も集まるマルシェは29日午前11時~午後3時に開催する。