底引き初物高値 地物少なく 甘エビ2倍、メギス2~3割 近江町市場、入荷半分以下

AI要約

石川県近海での底引き網漁の初物が解禁され、地元産の水揚げ量が例年よりも少ない影響で価格が高騰している。

金沢市の近江町市場では待ちかねた主婦らが海の幸を購入し、地元産のエビが手に入って喜んでいる。

一方、石川県内各地では真夏日が続き、熱中症の患者も出ている。

底引き初物高値 地物少なく 甘エビ2倍、メギス2~3割 近江町市場、入荷半分以下

 1日解禁の底引き網漁で石川県近海で水揚げされた初物が5日、県内の鮮魚店やスーパーの店頭に並んだ。今年はしけのため3日遅れとなり、金沢市の近江町市場では待ちかねた主婦らがかごに盛られた海の幸を買い求めた。漁場にエチゼンクラゲが大量発生した影響などで地元産の入荷は例年の半分以下となり、甘エビは例年の2倍、メギスやカレイは2~3割高となった。

 近江町市場の大口水産では、大ぶりの甘エビが11匹1100円、メギスが5キロ5千円、アカガレイが1匹800円と例年より高値で販売された。荒木優専務は「地元産の取扱量は例年の半分以下で、他県産の海産物に頼らざるを得ない状態だ」と話した。金沢市安江町の自営業山本康宏さん(44)は「初物の取り扱いが始まったが、市場は盛り上がっていない印象だ。ただ地元産のエビが手に入ってよかった」と語った。

 県水産総合センターによると、県漁協輪島支所に所属する漁業者の底引きの漁獲量は、昨年は1151トンと県内の総漁獲量の約3割で、県内の漁協支所で最も多い。一大拠点の輪島港が地震で隆起したため、海底の土砂をさらう浚渫(しゅんせつ)が進められており、11月6日のカニ漁解禁までに底引きを再開する見通し。

 金沢市中央卸売市場では5日未明、底引き網漁の初競りが行われ、昨年比4トン減の初物17・9トンが次々と競り落とされた。競り人を務めた卸売業者「ウロコ水産」の三井一徳営業副本部長は「自分たちが一生懸命売ることが、能登の漁業の復興につながると信じている」と意気込んだ。冒頭、村山卓市長があいさつした。

  ●県内青空広がる、金沢、輪島など真夏日

 5日の石川県内は高気圧に覆われて青空が広がり、正午までの最高気温は金沢32・1度、輪島31・5度など8観測地点で真夏日となった。各消防によると、小松市の70代男性が熱中症の疑いで搬送された。軽症とみられる。