感謝と惜別の見送り 自衛隊、珠洲から撤収 8カ月の支援終える

AI要約

自衛隊が能登半島地震の災害派遣を終了し、涙ながらに見送られる中、最後まで入浴支援活動を行った部隊が撤収した。

活動終了式が行われ、市民からの感謝の言葉に応え、隊員たちが感慨深く任務を終えた。

女性隊員や地元住民が別れを惜しみ、入浴支援活動の重要性が改めて浮き彫りになった。

感謝と惜別の見送り 自衛隊、珠洲から撤収 8カ月の支援終える

 能登半島地震の自衛隊災害派遣が8月31日で終わったのに伴い、最後まで珠洲市内で入浴支援活動を行った部隊が2日撤収した。地震の災害派遣としては過去最長の8カ月間、人命救助や捜索、物資輸送、給食、入浴支援などに携わり、市民から「ありがとう」の声が上がり、涙を流して車列を見送る人も見られた。

 飯田町で活動終了式が行われ、市内3カ所で実施した入浴支援や、撤収作業支援に携わった計90人の隊員に対し、泉谷満寿裕市長が「大切な命を助けていただき、守っていただき、本当にありがとうございました」と感謝した。

 泉谷市長と握手した第14普通科連隊長の野田哲徳金沢駐屯地司令は「ありがたい言葉をたくさんもらい、長期の任務を士気高く続けられた」と述べた。

 式には市民や市職員約200人が参加し、浜野由喜子さん(49)と梅田ひろ子さん(48)は、飯田町などで女湯の支援を担った女性隊員を囲んで別れを惜しんだ。一緒に写真を撮り「みんな彼女が好きだった。いなくなるとさみしい」と涙ぐんだ。最後まで入浴支援が行われた宝立小中前でも住民約50人が車両を見送った。

 第14普通科連隊の水口貴弘3等陸曹(29)=富山市出身=は道路が寸断された大谷町での捜索や物資輸送の苦労を思い返し「一日も早く元の生活を取り戻してほしい」と願った。