被災パティシエ、故郷砺波で独立 七尾で修業、25歳藤井さん 「世界に通用する地元の味目指す」

AI要約

25歳の若き実力派パティシエ、藤井雄大さんが能登半島地震から8カ月経った日に砺波市で洋菓子店「パティスリーヴェール」をプレオープン

被災地での人との交流からやりがいを感じ、故郷で独立を決意。フランスの味を地元食材で提供し、特にテリーヌショコラやシュークリームが看板商品として用意される

店内はフランスを思わせるような気品漂うしつらえで、21日にグランドオープン。藤井さんは「世界に通用する砺波の味を目指したい」と意気込む

被災パティシエ、故郷砺波で独立 七尾で修業、25歳藤井さん 「世界に通用する地元の味目指す」

  ●1日で能登半島地震8カ月

 砺波市のパティシエ藤井雄大さん(25)が能登半島地震の発生から8カ月となる1日、同市宮丸に洋菓子店「パティスリーヴェール」をプレオープンする。七尾市の洋菓子店で働いていた時に能登半島地震に遭遇。菓子コンクールで入賞歴がある実力派パティシエは、被災地での人と人の交流にやりがいを感じ、故郷で独立を決断した。チョコレート菓子のテリーヌショコラをはじめ、地元食材を使って本場フランスの味を提供する。

 藤井さんは富山県内高校を卒業後、金沢市のスイーツの専門学校に入学。七尾市の洋菓子店「ルミュゼドゥアッシュ」に入った。同店のシェフパティシエだった藤井幸治さんが七尾市で洋菓子店「アメリ」をオープンしたのに合わせて、同店に移った。その間、ジャパン・ケーキショー東京のマジパンエコール部門で銀賞を受賞した。

 能登半島地震の発生前は、フランスやベルギーに渡って修業することも考えていた。七尾の店が被災して営業ができないなかで、オーナーの藤井さんが市民にショートケーキを無料で配布、笑顔を届けた姿を見て、住民と接する個店の価値を再認識した。

 看板商品のテリーヌショコラは、おしゃれな花の形で、チョコ、ミルクチョコ、、オレンジ、イチゴ、抹茶など8種類で、富山市のワイナリーの赤ワインをふんだんに使用する。オープン時は砺波市産ぶどう、能登の塩を使った塩キャラメル味のシュークリームも用意。今後ムース菓子などの提供も考える。

 店は国道156号沿いで、店内にはフランスの輸入家具や洋画を飾って、フランスを思わせるような気品漂うしつらえになっている。プレオープンは3日までで、21日にグランドオープンする。

 25歳の若さでの挑戦になるが、藤井さんは「もともと20代での独立が目標だった。世界に通用する砺波の味を目指したい」と話した。