金沢芸妓が京芸舞妓と競演 京都で駒井さん三回忌催し 遺志継ぐ心意気を示す

AI要約

金沢おどりの総合演出を長年務めた駒井邦夫さんの三回忌に合わせた催し「月見月金沢京都夢の饗宴」が開催され、金沢芸妓と京都の芸舞妓が競演した。

舞台では金沢独自の「お座敷太鼓」と「金沢風雅」で風情を伝え、亡くなった駒井さんの思いを継ぐ意気が示された。

来場者をもてなす金沢芸妓と京都の芸舞妓の共演や名人の特別出演など多彩な演目が行われ、感謝と遺志の継承が表明された。

金沢芸妓が京芸舞妓と競演 京都で駒井さん三回忌催し 遺志継ぐ心意気を示す

  ●金沢おどり長年演出 「お座敷太鼓」や「風雅」で風情伝え

 金沢おどり(北國新聞社主催)の総合演出を長年務めた駒井邦夫さんの三回忌に合わせた催し「月見月金沢京都夢の饗宴(きょうえん)」は31日、京都市内で開かれ、金沢三茶屋街の芸妓(げいこ)衆が、駒井さんの地元である宮川町と祇園東の芸舞妓と初競演した。金沢独自の「お座敷太鼓」や「金沢風雅」で金沢おどりの風情を伝え、駒井さんの思いを継ぐ心意気を示した。

 「月見月」は、2022年に他界した駒井さんの妻で、お茶屋「駒屋」女将(おかみ)の文恵さん(80)が、花街振興に力を尽くした夫の遺志を継ごうと企画。駒井さんは06年から金沢おどりに携わり、幕なしで次々に展開する舞台演出などで評判を呼び、亡くなる前年まで舞台を支え続けた。

 文恵さんは「夫は金沢が好きで喜んで行っていた。お世話になった三茶屋街の芸妓さんに感謝の気持ちを込めてお呼びした」と競演への思いを語る。能登半島地震の被災地を応援したい気持ちもあったという。

 舞台ではひがし、にし、主計(かずえ)町(まち)の金沢芸妓10人が、金沢おどりのフィナーレを飾る「金沢風雅」を華やかに舞い、他の花街には類を見ない「お座敷太鼓」で湧かせた。立三味線を務めたにしの仁美さんは「とにかく無事に演じ切りたい一心だった。金沢おどりの雰囲気、金沢らしさが伝わったならうれしい」と話した。

 京都五花街からは宮川町が「宮川小唄」、祇園東が「祇園東小唄」とそれぞれ舞踊公演でのフィナーレ曲などを上演。人間国宝の横笛奏者・藤舎名生さん(83)が特別出演した。宴席では金沢芸妓と京都の芸舞妓が来場者をもてなした。

 東料亭組合長の福太郎さんは「駒井先生は金沢おどりであか抜けた舞台を作ってくださった。金沢芸妓の存在感を全国に広めてくださり、そのおかげで今がある」と感謝した。主計町料亭組合長のまゆさんは「駒井先生は亡くなってもなお存在を感じる。頑張って遺志をつないでいきたい」と、20日から始まる第21回金沢おどりへ気を引き締めた。