平均寿命女性1位飛騨市88.3歳、岐阜県内ランキング 飛騨圏域「健診受診率高く健康改善積極的」

AI要約

厚生労働省が2020年の市区町村別平均寿命を公表。女性の最長寿命は飛騨市、男性は各務原市など。地域ごとの差は縮まりつつも、継続して上位にランクインする自治体も。

可児市や瑞浪市など複数市が3回連続で上位1桁をキープ。男女の寿命差が最も大きいのは飛騨市。各市の取り組む政策の違いに解を見いだせず。

日本全体の平均寿命はプラスの推移だが、新型コロナの影響で少し縮んでいる。飛騨圏域は特定健診の受診率が高いことが寿命延長の一因か。

平均寿命女性1位飛騨市88.3歳、岐阜県内ランキング 飛騨圏域「健診受診率高く健康改善積極的」

 地域の生活習慣や食生活の違いで地域ごとに差が出るといわれる平均寿命。厚生労働省は市区町村別の平均寿命を国勢調査のデータなどから算出し、5年おきに公表している。最新の2020年の県内42市町村をランキングにすると、都道府県別に比べて顕著に差は出なかったが、継続して上位にランクインする自治体も見られた。いずれの市町村も女性が男性を上回り、最大6・6歳の開きがあった。

 女性の1位は、飛騨市の88・3歳。前回の15年は8位、前々回の10年は16位だった。2位は可児市の88・2歳。3位は中津川市、瑞浪市、加茂郡川辺町の87・9歳だった。前回1位の下呂市は6位に下がった。

 可児市は前回2位、前々回7位で、3回連続で上位1桁を維持した。05年以降で見ると、瑞浪市は前回13位だったものの、05、10年は2回連続で1位となっている。

 男性の1位は、各務原、瑞穂、本巣の3市の82・4歳。最下位の土岐市、養老郡養老町の81・1歳と比べ、1・3歳の開きがあった。

 瑞穂市は、前回が2位、前々回が5位で、42市町村の男性の中で唯一、3回連続で1桁の順位をキープ。各務原市は05年に19位、10年に14位、15年に9位と順位を上げている。本巣市は前々回34位、前回9位だった。

 05年と前回15年に1位の可児市は14位。前々回1位で前回2位の郡上市は12位だった。

 男女の差が最も大きかったのは、飛騨市の6・6歳。次いで加茂郡東白川村の6・4歳。差が最も小さかったのは、本巣市の4・9歳だった。

 いずれの市町村も平均寿命は延びる傾向にある。ただ理由については複合的な要因があるとみられ、毎回上位の自治体も「ほかの自治体と比べても政策に大きな違いはなく、これだという要因が思い当たらない」と話す。

 厚労省が公表した2020年の都道府県別によると、男性は滋賀が1位で、2位以下は長野、奈良、京都、神奈川の順。女性は岡山がトップで、滋賀、京都、長野、熊本と続いた。岐阜は男性が11位、女性が28位で、1995年と比べると男性は77・17歳から4・73歳、女性は83・0歳から4・51歳延びた。

 県保健医療課は圏域ごとの毎年の平均寿命を独自にまとめ、公表している。その2020年のデータによると、男性は中濃が81・93歳で最も高く、次いで東濃の81・91歳。西濃は81・55歳で最も低かった。女性は、飛騨の87・83歳がトップ。中濃の87・69歳、東濃の87・35歳と続いた。西濃は86・95歳で最下位だった。

 飛騨は延びが顕著で、男性は2014年に79・98歳で最下位だったが、20年に81・79歳となった。女性は19年に圏域で唯一、88歳台に達した。

 県民健康意識調査などによると、体格指数(BMI)が25以上の割合は、男女ともに東濃、飛騨が低い一方、西濃が高かった。1日の塩分摂取量では、岐阜や西濃が少なく、飛騨が多かった。1日の野菜摂取量は飛騨が多く、東濃が少なかった。意識的に運動している人の割合は飛騨が6割近くに達し、西濃は唯一、5割を切った。

 飛騨の平均寿命が顕著に延びている傾向について、同課は「飛騨圏域は特定健診の受診率が高く、早めの健康改善に取り組んでいる成果ではないか」と推察している。

 【平均寿命】 0歳の子が何歳まで生きるかを予測した数値。2023年の日本人の平均寿命は女性が87・14歳、男性が81・09歳。男女とも年々延びる傾向にあるが、21、22年は新型コロナウイルス感染症の影響で縮んでいた。国別では、女性は1位日本、2位スイス(85・9歳)、3位フランス(85・75歳)。男性は1位スイス(82・3歳)、2位スウェーデン(81・58歳)、3位ノルウェー(81・39歳)で、日本は5位だった。