温泉むすめ「伊東椿月」活用進む 市がコラボグッズ、生誕祭も

AI要約

温泉地の擬人化プロジェクト「温泉むすめ」が伊東市内で活用されている。伊東椿月を題材にしたクリアファイルの製作や健診啓発活動が展開され、若年層の受診率向上を目指している。

ファン有志による伊東椿月の生誕祭も開催され、地域全体で盛り上がりを見せている。

温泉むすめはエンバウンドが運営する擬人化プロジェクトであり、伊豆地区だけでも5つのキャラクターが存在する。

温泉むすめ「伊東椿月」活用進む 市がコラボグッズ、生誕祭も

 温泉地の擬人化プロジェクト「温泉むすめ」の活用が、伊東市内で進んでいる。本年度は市健康推進課が、伊東温泉をキャラクター化した「伊東椿月」のコラボグッズを初めて製作し、健診啓発のため9月から配布予定という。誕生日の8月25日にはファン有志による生誕祭も開かれるなど、地域全体で広がりを見せる。

 

 ■若年層受診率向上へ

 

 伊東市健康推進課は市民に特定健診の受診を促すため、「伊東椿月」を題材にした独自のクリアファイル750部を製作した。市が観光関係以外で、温泉むすめを活用するのは初めてだという。特に若い年代の受診率向上を狙い、9月にも40、50、61歳の対象者に発送する。

 特定健診は若い年代の受診率が比較的低く、キャラクターを使って注目を高めようと企画した。ファイルには椿月のイラストを載せ、「特定健診ですか。ちょっと億劫(おっくう)ですけど…自分の身体のことだから、知っておいた方がいいんじゃないですか?」とせりふを添えた。

 1日の塩分摂取量や睡眠時間の目安も盛り込んだ。同課担当者は「若い人にアピールする手段を考えていたら、温泉むすめに行き着いた。運営事業者のエンバウンドには丁寧に対応してもらった。キャラクターと一緒に健診を受けてほしい」と話した。

 クリアファイルの販売や、一般に向けた配布は予定していない。

 

 【解説】温泉むすめ キャラクター企画会社のエンバウンドが運営する、温泉地の擬人化プロジェクト。全国100カ所以上でキャラクターをつくり、伊豆地区だけでも熱海、伊東、下田、修善寺、土肥の五つがある。キャラクターはいずれも女性の姿で、温泉地に宿る下級神という設定。

 ■ファン有志企画 生誕祭に県内外10人

 

 伊東椿月が誕生日を迎え、伊東市松川町の居酒屋元気でファン有志が生誕祭を開いた。県内外から10人が集まり、店内に“祭壇”と呼ばれる展示を作ってケーキも用意し、盛大に祝った。

 祭壇のコーナーにはキャラクターのイラストや旗、ペンライトなどを並べた。参加者は祭壇を囲み、写真撮影や飲食を楽しんだ。椿月の大規模な生誕祭は2回目で、主催した埼玉県の30代男性は「ファンの交流ができた。来年も祝える場をつくりたい」と話した。

 同店でキャラクターの生誕祭が開かれるのは初で、店側も協力した。店員が椿月とおそろいのリボンを付け、記念ポストカードも製作した。同店の多田絵理子さんは「椿月ちゃんはかわいくてしょうがない。広めていきたい」と話した。