熱中症と混同しやすい“ペットボトル症候群”…猛暑の水分補給に“落とし穴”

AI要約

ペットボトル症候群とは、ペットボトル飲料の飲み過ぎによる急性の糖尿病であり、夏場の水分補給に注意が必要。

適度な水分補給が大切であり、ペットボトル飲料は嗜好品として扱うべき。

ペットボトル症候群の症状は熱中症と誤解しやすいため、症状が続く場合は病院に相談が必要。

熱中症と混同しやすい“ペットボトル症候群”…猛暑の水分補給に“落とし穴”

NEWSDIGの担当が今回注目したのは…「ペットボトル症候群…夏場の水分補給の“落とし穴”」です。

熱中症対策で大切な水分補給ですが、飲み過ぎには注意です。

■治療にあたった医師は…

JCHO金沢病院の内科医、古川健治医師によりますと、ペットボトル症候群とは、ペットボトル飲料の飲み過ぎで発生する急性の糖尿病のことを指します。

主な症状は

・体のだるさ

・のどの渇き

などがみられます。

原因は、スポーツドリンクやフルーツジュースなどに含まれている糖分。

糖尿病の専門医でもある古川医師によりますと、世代は10代から30代が多く5月から9月にかけてよく見られ、放置していると、血糖値の上昇で意識を失う可能性があります。

今年、古川医師が診察した例を教えていただきました。

■原因は清涼飲料水の飲みすぎ…

患者は30代の男性で「のどの渇き」と「体のだるさ」を訴えていました。尿検査で糖が出たことから血糖値を測ると、糖尿病と診断される基準である200を超えていました。

問診で、男性はペットボトル飲料を毎日1.5リットルは飲んでいたことが分かり、ペットボトル症候群による急性の糖尿病と診断しました。

古川医師「若年の男性で、お話を伺うとペットボトルをかなり飲まれていたと。血糖値がある程度高いわりに、濃厚な治療をしなくてもペットボトル飲料をやめて頂いたことで、かなり良くなった」

■治療に要した1か月…投薬とペットボトル飲料絶ち

古川医師「成人が採る1日のカロリーはだいたい2000キロカロリーほどになるから、さらにご飯も普通に食べられているんで、そうなると、かなり糖分を採り過ぎている」

その後男性は、薬による治療とペットボトル飲料を控えることで症状は快方に向かいましたが、それでも治療には1か月ほどかかりました。

■ペットボトル飲料は“嗜好品”

水分補給には水かお茶がおススメ飲み過ぎなければ問題はないですが、古川医師は、ペットボトル飲料はあくまで嗜好品として捉え、水分補給で活用する場合は、水やお茶と合わせて用いるのが良いと話します。

さらに、古川医師はペットボトル症候群の症状が熱中症と誤解しないよう注意が必要と話します。

古川医師「特に水分を摂る時には、やはり糖分が少ない物を摂っていただいて、それでもあまり症状が良くならないことであれば、ペットボトル症候群を疑っていただいてもいいのかなと。まずは病院に相談してほしい」

喉の渇きを潤すペットボトル飲料ですが、やはり、飲み過ぎは禁物。適度な水分補給で猛暑の夏を乗り切りたいものです。