“学校で発表ができない” 子どもたち…交流のきっかけは“お菓子作り” きつ音の子どもたちによる料理教室

AI要約

金沢大学大学院の女子学生が、話し言葉が滑らかに出てこない「きつ音」の子どもたち向けに料理教室を開催。

イベント名は「キッツクッキング」で、きつ音の当事者である子どもたちが参加しました。

Be.カラフルによる主催で、荒城新菜さんもきつ音の当事者であり、子どもたちの交流の場を提供しました。

“学校で発表ができない” 子どもたち…交流のきっかけは“お菓子作り” きつ音の子どもたちによる料理教室

話し言葉が滑らかに出てこない「きつ音」の子どもたちに交流の場を設けようと、金沢大学大学院の女子学生が料理教室を開きました。

自らもきつ音の当事者である彼女の思いと、料理教室の様子を取材しました。

■イベント名は「キッツクッキング」

金沢市内のビルに集まった、未就学児から中学2年生の5人のこどもたち。

イベントの名前は、「きつ音」と「キッズ」そして「レッツクッキング」を合わせた「キッツクッキング」です。

きつ音の子どもを対象に運動教室などを展開しているBe.カラフルが主催したとあって、参加した全員がきつ音の当事者です。

国立障害者リハビリテーションセンター研究所によりますと、話し言葉が滑らかに出ないきつ音やどもりには、様々な症状があります。

1:「と、と、鳥」のように音を繰り返す「連発」

2:「とーーーり」のように音を伸ばす「伸発」

3:「…鳥」のように言葉を出せずに間が空いてしまう「難発」

きつ音には、この3つのうちどれか1つ以上が見られます。男女比は4:1くらいですが、幼児期の男女差は、あまりないと言われています。

主催するBe.カラフルのスタッフで今回の料理教室を思いついた荒城新菜さんもきつ音の当事者です。荒城さんは「きつ音を抱える子ども同士で交流する場はあまりない」と話します。

■「喋らないとできないことをやろうと思った」

荒城さん「ひとりでは出来ないことを、みんなでやることで、コミュニケーションを生み出していくような。喋らないとできないことをやろうと思った」

荒城さんが自分にきつ音があると気づいたのは、大学生の頃。アルバイト先で名前を聞かれたときの事でした。

荒城さん「名前を聞かれたときに、言えなかった。自分でもびっくりするような感じで。大学に入るまで全く意識せず、『しゃべりにくいな…』ってことはたくさんあったんですけど、ただ、派手に人前で止まるのは初めてだった」

言葉に詰まるいわゆる「難発」の症状でした。家では同じ音が繰り返し出る「連発」の症状が出ることも。しかし、学校では音読に苦手意識を感じながらも、同じ悩みを抱える仲間はいませんでした。