県内大雨・避難所の戸沢学園で始業式 児童・生徒、顔合わせ安堵

AI要約

7月下旬の記録的な大雨で甚大な被害を受けた戸沢村で小中一貫の義務教育学校・戸沢学園の始業式が行われた。学園は1次避難所として機能し、子どもたちは再会を喜び、前向きな姿勢を示していた。

被害で自宅を離れている子どももおり、式には大半の児童・生徒が集まり、学園の校長から前向きなメッセージが送られた。

生徒たちは大雨被害の経験を分かち合い、困っている人を助ける意欲や日常に感謝する気持ちを強く持っていることを示した。

県内大雨・避難所の戸沢学園で始業式 児童・生徒、顔合わせ安堵

 7月下旬の記録的な大雨で甚大な被害を受けた戸沢村で22日、小中一貫の義務教育学校・戸沢学園(佐藤雅彦校長)の始業式が行われた。村内は豪雨の影響で古口、蔵岡両地区は集落全体が水没した。同学園は現在も1次避難所になっており、41世帯94人がいまだ身を寄せている。避難所と学びやが並行する異例な状況で新学期がスタートするが、子どもたちは再会を喜び「日常を大切に生活を送っていきたい」と前向きな姿を見せていた。

 同学園によると、大雨被害で今も自宅を離れて生活している子どもがおり、このうち数人が新庄市から通学している。この日は全児童・生徒220人中、210人が久しぶりに顔を合わせ、互いに安堵(あんど)の表情を見せていた。体育館で行われた式で佐藤校長は「支え合い、協力して前に進んでいくと信じている。力を合わせ2学期を充実させましょう」とあいさつした。

 式後、児童・生徒たちは各教室に戻り、大雨被害で感じたことや夏休みに取り組んだことなどを話していた。8年高橋舶さん(13)は「ニュースで被害の状況を見ることしかできなかった。家族から誘われ蔵岡地区でボランティアに参加した。今後も困っている人の力になりたい」と語った。

 自宅が床上浸水し、一時、避難生活を送った8年斉藤希歩さん(13)は「みんなが無事で良かった」と表情を和らげていた。自宅の片付けやボランティアなどに取り組み休み期間を過ごしたという。「こういう時だからこそ、人と人とのつながりが大切になってくる。どんな時でもみんなと協力していきたい。日常に感謝しながら生活していく」と誓っていた。

 8年担任の山口真歩教諭(23)は「今自分ができることを一生懸命やってほしい」と呼びかけていた。